Column

秋田修英高等学校(秋田)

2017.03.07


指導を受けるナイン(秋田修英)

経験豊富な名将率いる秋田修英!

■監督は7回の甲子園経験を持つ!
秋田県の大仙市にある私立高校、秋田修英高等学校。その野球部は7年前に、部員が2名になる状況を迎えながら、秋田経法大附(現明桜)を7度甲子園に導いた鈴木 寿宝監督の指揮の下、ここ2年間で県上位の常連になるチームに成長。新チームとなった昨年秋の大会でも、県ベスト8に名を連ね、次はベスト8の壁を突破するべく、この冬に力をつけている。その様子を伺った。

■打撃力がウリだが秋は不完全燃焼
2年生13名と、1年生20名で構成される野球部のチームワークは十分。高橋 駿斗主将は、チームワークは秋田修英のウリの一つだと語り、新チーム発足時と比較して、チームの一体感がより強くなっていることを感じるらしい。また鈴木監督が重点的に強化しているということもあり、打撃力もチームのウリだと高橋主将は話す。ただその打撃力は秋の大会で十分に発揮することができなかったと選手たちは感じているようで、特にそれが顕著だったのは準々決勝の大曲工戦。序盤に2点リードしながら、後半にチャンスをつぶす場面が目立ち、逆転を許してしまい5対2で敗れた。

■勝負強さがチーム最大の課題に
この試合はナインにとって最も印象的な試合になった。高橋主将は、「自分たちの弱さが浮き彫りになった試合だった」と振り返る。チャンスの場面での一本が出ず、苦い思いを抱いた秋田修英。この春は好機を生かすことができるかどうかが課題になる。

■秋はエースの活躍が顕著に
打撃に関しては、持っている力を十分に発揮できなかった秋の大会だが、その分守備が踏ん張った。県大会予選では、秋田県を制した横手に敗れながら、敗者復活戦では2戦連続で零封に抑え、県大会に駒を進める。そして県大会では1、2回戦と1点差の接戦を制し、ベスト8に見事進出。その中でカギとなった吉田 愁投手は、秋田県大会で3連投し、チームを牽引。彼の活躍について高橋主将も「エースとしてしっかり仕事をしてくれた」と高く評価していた。さらなる飛躍を目指すため、この春のキーマンとなる選手を高橋主将に伺うと、吉田 竜大選手の名前を挙げた。加えて「強い体幹を持っている」という田中 海選手も活躍を期待される。

■監督をもう一度甲子園へ!
オフシーズンは、課題の勝負強さをつけると同時に、個人のレベルアップを図っている。秋田修英ならではのオフシーズンの練習は、「3・2・1」というダッシュのメニュー。その名の通り、3分、2分、1分とダッシュを続けるものだ。過酷な練習が続く日々だが、高橋主将は、「監督さんをもう一度甲子園の舞台に連れていくため、そして、秋の悔しさを晴らすため、この冬は自分自身を追い込み、自分に自分で限界を作らない冬にしたいと思っています」と強い思いを語ってくれた。

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[page_break:冬でとことん自分を追いこむ!]

トレーニングの様子(秋田修英)

冬でとことん自分を追いこむ!

ここからは亀掛川 裕太選手と、菅原 優也選手に伺いました。

Q.この秋を振り返って、見つけた課題を教えてください。

亀掛川:一人ひとりのミスが多く、勝負弱さが目立ちました。勝負弱さの克服が大きな課題だと思います。
菅原:守備でのイージーミスが多くみられました。また、攻撃でのチャンスで一本がなかなか出ませんでした。守備力の向上とチャンスで一本を打てる打撃力を課題としています。

Q.この冬はどんな冬にしていきたいですか?

亀掛川:高校野球最後の冬、ここで自分をとことん追い込み、一気に成長したいと思っています。
菅原:どんな相手がきても打ち返せるように、今まで以上に打撃を強化していく冬にしたいと思っています。

Q. 野球をする上でモットーにしている、好きな言葉はなんですか?

亀掛川:「一笑懸命」です。
菅原:「今を全力で」です。

Q.このチームの好きなところは、または他のチームに負けていないところはどんなところですか?

亀掛川:学年問わず、みんなが仲良くチームワークが良いところです。また、試合中の元気、盛り上がりはどこにも負けていません。
菅原:このチームの好きなところは、常に笑顔でいるところです。他のチームに負けていないところは、試合の中での気持ちの強さです。

Q. 最後にこれからの意気込みについて一言お願いします。

亀掛川:単打、長打と場面に応じた打撃ができるようになることと長所でもあるバットコントロールの技術を更に磨く。来シーズンは1試合4安打4打点4盗塁を毎試合目指します。
菅原:2年生の時の夏よりも必ず良い結果を残します。そのためにすべての練習に全力で取り組み、「誰もが認める、目に見える成長」を達成します。

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[page_break:激しい競争で選手層に厚みを!]

トレーニングの様子(秋田修英)

激しい競争で選手層に厚みを!

  最後に鈴木 寿宝監督に伺いました!

Q. 今年のチームは、新チームが始まってから、どんなテーマを持ってチームを作り上げてきましたでしょうか。秋の大会の振り返りならびに、冬でのテーマも合わせてお願いします。

旧チームからピッチャーとセカンド、ショートが抜け、投手力と内野守備力に不安を抱えての新チームのスタートでした。そのため、新チームスタート時の試合では打力に重点を置き、その間に投手力と守備力を鍛えるという方針をとりました。しかし、秋の大会では予想以上に投手陣が踏ん張り、それに伴い守備力も安定するという状況。重点を置いたはずの打力では勝負弱さが目立ち、チャンスを潰す場面が多かったので、勝負強さを如何に植え付けるかがこの冬の課題の一つです。

また、本校野球部は7年前、部員数2人から再スタートを切りました。部員数は増えてはきているもののまだまだ層が薄く、選手間の激しい競争などはまだ生まれてきていない。底上げをし、激しい競争させること、そして選手層に厚みを出すこと。これらもこの冬の課題の一つです。

Q. 最後に、厳しい冬の練習に励む選手たちにメッセージをお願いします。

本校野球部の合言葉は「今を全力で」。この「全力」をキーワードとして1年間通して部活動に取り組んでいる。冬期間は体育館での練習が主になり、どうしてもボールを使った練習は少なくなってしまう。トレーニング系が中心となるが、どんな練習でも「全力・全力・全力」、「全力度が努力度」、「全力量が努力量」だ。「今を全力で」それをやり通した後には一回りも二回りも大きくなった自分がいるということを信じて頑張ってほしい。

鈴木監督、そして秋田修英野球部の皆さんありがとうございました!


今年も大好評!
冬が僕らを強くする 特設ページ
各チームのページ下部にあるフォトギャラリーもお見逃しなく!

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この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

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