清宮、野村より高打率をマークする早実2年生・橘内俊治にも注目!
橘内俊治(早稲田実業)
4年ぶり21回目の出場の早稲田実業。高校通算78本塁打の清宮幸太郎と、昨秋の公式戦4本塁打の野村大樹が注目されるが、彼らの前後に座る打者陣のレベルもかなり高い。その中で和泉実監督の評価が高いのが、橘内俊治(2年)だ。昨秋はなんと、レギュラー野手ではトップの打率.529を記録した。
さて清宮、野村よりも高い打率を残す橘内とは、一体どんな選手なのだろうか。
世田谷南ボーイズ出身の橘内は、早稲田実業に入学後、1年秋に背番号15でベンチ入り。存在感を大きく示すようになったのは2年春のこと。練習試合で快打を連発。打ちだしたら止まらない爆発力。速球、変化球にもしっかりとコンタクトができる打撃技術があり、そして軽快な動きを見せる二塁守備も武器に、春の都大会では、背番号4でベンチ入り。3番セカンドとして出場した。しかし、都大会は不発に終わり、その悔しさを夏にぶつけた。
夏は2番セカンドで出場。5試合に出場して、17打数6安打7打点の活躍を見せ、清宮と野村に負けない活躍をみせた。和泉監督は、昨秋は主軸として使うことを期待して起用していたが、「なぜかクリーンナップで使うとプレッシャーがかかってしまうのか、打てないんですよね」と苦笑い。橘内は、都大会では主に7番打者として出場すると、連日の快打。特に勝ち進んでからの活躍が見事だった。ベスト8をかけた3回戦の都立片倉戦では、3打数2安打、準々決勝の関東一戦では、5打数2安打。さらに、準決勝の国士館戦では3打数2安打2打点の活躍を見せると、迎えた東京大会決勝戦では、4回裏、一死一、三塁のチャンスで、日大三のエース・櫻井周斗の甘く入ったボールを見逃さず、右中間を破る適時二塁打を放つ。塁上で思わずガッツポーズを見せた橘内。
都大会優勝に貢献した橘内は、神宮大会でも当たりが止まらず、準決勝では好投手・三浦銀二から4打数2安打、そして決勝の履正社戦でも、4打数3安打の活躍を見せ、全国舞台でも活躍できることを示した。
秋季大会では、34打数18安打、打率.529、13打点。さらに二塁手としても11試合で2失策と堅実な守備を見せ、まさに攻守で大活躍の秋だった。
和泉監督はそんな橘内に対して、「もう少し精神的に強くなってくれれば、もっと良い打順でも実力を発揮できる選手になると思っていますし、彼の実力からすれば、まだまだこんなものではないと思います」と要求は高い。そして、こうも期待している。
「橘内は、清宮と同じく『本物』と呼ばれる選手になれると思っています」
この春のセンバツでの橘内の活躍が楽しみだ。
(文=河嶋 宗一)
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