甘いものと上手に付き合おう!
甘いものと上手に付き合おう
エネルギー源が不足すると脳は糖質がほしくなる。補食などで上手に活用しよう。
アスリートとしては栄養バランスの取れた食事をすることが大前提なのですが、特に疲れたときは甘いものが食べたくなることはよくあると思います。食べたいけれども、何となく食べてはいけないような気もするこの「甘いもの」について、野球選手はどのように付き合っていけばよいのでしょうか。
練習が終わった後や、勉強した後など、身体や脳を酷使すると体内のエネルギー源は消費されて少なくなりますが、これを補うためには糖質を補給する必要があります。血液中の糖質が少なくなると(血糖値の低下)、脳は疲労を感じるようになり、そこから「エネルギー源を確保したい。手っ取り早く甘いものを食べたい」という欲求が起こるようになります。この時点で糖質(砂糖などを含む食品等)を補給すると、血液中の血糖値は次第に上昇するため、一時的に疲労を感じなくなりますが、毎回この欲求に応えてしまうとさまざまな不具合が生じてきます。
まずはお菓子などの間食によって、本来の食事量が減ってしまったり、栄養バランスの乱れが懸念されます。また食事量が変わらないのであれば、今度は糖質をより多く取ってしまうことになります(糖質過多)。糖質は必要以上に体内に蓄積されると、体脂肪に変換されてエネルギー源として蓄えられるようになるのですが、体脂肪がエネルギー源に変換されないまま体内にあると、「体重は増えたけれども動きが鈍い、身体が重い」といったことが起こります。
さらに糖質をエネルギー源に変換させるためにはビタミンB1の働きが不可欠ですが、甘いものを多くとり、糖質に偏った栄養摂取ではビタミンB1が不足しがちになります。ビタミンB1は疲労回復に役立つビタミンといわれており、これが不足してしまうと、疲労状態からなかなか回復しないということになってしまいます。
甘いものを「糖質=エネルギー源」として上手に利用するのであれば、補食などで普段の食事に影響を及ぼさない程度の量にとどめることが望ましく、洋菓子よりもどら焼きやカステラなどの和菓子の方が比較的脂肪分が少ないのでオススメです。時にはご褒美として楽しみながら、エネルギー源としても上手に活用したいですね。
文:西村 典子
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