試合レポート

都立片倉vs都立南多摩中等教育

2016.09.03

4回に打線が一気に爆発した片倉、5回コールドで進撃

都立片倉vs都立南多摩中等教育 | 高校野球ドットコム

先制のタイムリーを放った内田(都立片倉)

 9月に入って早々、東京都は秋季大会の第一次ブロック予選が始まった。

 夏休みには岐阜県、長野県と2度の遠征を組んでチーム力強化を進めてきた都立片倉は、会場校として初戦に都立南多摩中等教育を迎えた。

 3回までは都立南多摩中等教育の山本君が、柔らかい肩の筋肉を生かした可動域が広い独特の投法で、力のある都立片倉打線を無安打に抑えていた。都立片倉は3回には、一死二三塁でスクイズを試みたが捕邪飛となり併殺。チャンスを潰していた。宮本秀樹監督は、「夏の間にいろいろ練習をやってきているから、それを試そうと思っていたんですけれども、失敗するから、それじゃあ、しょうがないから打たせていくかと切り替えたら、ビッグイニングになっちゃいましたね」と4回の大量点を振り返った。

 この回の都立片倉は四球と4番堀江君の内野安打で一二塁とすると、内田君が中前へタイムリー打して先制。都立片倉としても初のクリーンヒットだった。さらに四球で満塁となると、一死後8番佐野君から石田君、平井君、藤井君と4連打が出て、打者11人で、犠飛もあってこの回一気に8点が入った。

 5回にも都立片倉は先頭の5番内田君が左二塁打すると、一死満塁から石田君が左中間へ落として2者が帰り10点目が入りコールドゲームとなった。

 初回には、失策もあって一死一二塁とピンチを作りかけた都立片倉の先発石田君だったが、そこを併殺で切り抜けると、以降は落ち着いた投球だった。宮本監督も、「この夏の遠征では大きく成長を示した一人」と評価してのこの日の先発となったのだが、その起用に応える5回完封だった。

 都立の中高一貫校というスタイルになった都立南多摩中等教育中等教育は、この秋は10人というぎりぎりの部員で戦わざるを得ない状況だった。山本君は、序盤は好投したが、一旦捕まったら、防ぎようはなかった。中学から上がってくる生徒頼りでチーム作りをしていかないといけないという状況であり、チームを預かる佐藤 秀光監督としても、野球部としては厳しい状況ということは否めない環境であろう。

(文=手束仁

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この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

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