市立尼崎vs夢前
7回に一挙7点を奪う猛攻でコールド勝利を収めた市立尼崎が3回戦進出!
大会7日目の[stadium]高砂市野球場[/stadium]。第二試合に登場したのは10日に兵庫神戸を12-4で下し、1回戦を突破した夢前と第1シードの市立尼崎だ。
夢前の先発投手は2年生エースの左腕・藤原義則。1回戦の神戸戦では被安打9、失点4ながら要所を締める粘りのある投球で完投勝利。インステップを利かせたサイドスローからのクロスファイヤーと制球力の良さが光る。
後攻の市立尼崎が先発マウンドに送り出したのは本格派右腕のエース・平林弘人(3年生)。力みのないオーソドックスなフォームから繰り出す最速140キロのストレートを軸に、スライダー、カーブ、チェンジアップを織り交ぜた丁寧な投球が身上だ。
両チームとも主力に下級生が多く、それぞれ4名の2年生がスターティングメンバーに名を連ねた。
午後12時11分に始まった試合は、両エースが立ち上がりからテンポのいい投球を繰り広げ、4回終了時点で両軍無得点。
市立尼崎・平林は四球一つのみの無安打投球を展開。攻撃陣は4回までに先頭打者が2度出塁し、いずれも犠打を用いて得点圏へ走者を置くことに成功するも、後が続かない。
均衡が破れたのは5回裏だ。
先頭の6番・前田大輝主将の死球、8番・木森陽太の二塁内野安打で1死一、二塁の好機を作った市立尼崎。この場面で二塁走者の前田が三盗を企てると、三塁でのクロスプレーの際に送球が三塁ファウルゾーンへ大きく逸れ、市立尼崎が1点を先制。このプレーの間に三塁へ進んだ木森を9番・河村択海がライトへの犠牲フライで迎え入れ、2点のリードを奪う。
市立尼崎の追加点は7回。6番・前田、7番・谷尻尚紀(2年生)の連続2塁打でリードを3点に広げると、木森の四球を挟み、9番・河村がレフトオーバーの2点タイムリー三塁打、1番・殿谷小次郎(2年生)のセンターへの犠牲フライでスコアは6対0に。
市立尼崎の猛攻はさらに続く。2つの四死球で1死一、二塁の好機を作ると、四番・藤井倭(3年生)がレフト芝生席へ3ランとなるアーチを架ける。この回、一挙7点が入り、コールドが成立。9-0で市立尼崎が勝利を収めた。
平林は終始、ストライク率の高い投球を展開し、7回を投げ被安打2、1四球、4奪三振。空振りを奪える伸びのあるストレートに加え、カウント球にも勝負球にも使えるスライダーのキレも抜群。1回戦で17安打を放った夢前打線に3塁を踏ませない投球は圧巻だった。
3回戦進出を果たした市立尼崎の次戦は18日、場所は[stadium]淡路佐野運動公園第一野球場[/stadium]。この日、相生を9対2で退けた福崎と対戦する。
(文=服部 健太郎)
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