試合レポート

駒場学園vs都立光丘

2016.07.15

14安打14点の5回コールド、駒場学園 都立光丘を圧倒

 試合開始30分ほど前から、八王子地方は強い雨が降りはじめ、予定より1時間16分遅れの、午前11時16分に試合が始まった。
好調な駒場学園打線を、都立光丘がどう抑えるかが焦点であった。都立光丘の先発は背番号11の左腕・吉田 諒平。足を高く上げ、打者から背番号が見えるぐらい体をひねる、独特のフォームで投げる。

 しかし1回表、2つの四球と駒場学園の4番荻原 大二朗の左前安打で一死満塁。先発投手でもある5番の林 虎之介の中犠飛で駒場学園が1点を先取した。それでも二死。1点止まりなら、それほどダメージは大きくない。ところが、6番二井 涼太の平凡な中飛を、都立光丘の中堅手が落球して2人が生還した。これで駒場学園が完全に主導権を握った。

 2回表には、二塁打の川崎 慶太を1番山口 塁の中前安打で還し1点。
3回表には、都立光丘の2番手・高柳 龍生から荻原の左中間を破る二塁打、林の右中間の三塁打で1点。さらに7番中田 峻矢の左前安打、9番川崎への右翼手の横をすり抜ける三塁打でこの回3点。

 4回からは都立光丘はエースの齋 直樹をマウンドに送る。都立光丘の3人の投手の中では齋が、一番球威があった。4回は代打・島田 健の左前適時打で1点を失ったが、試合が締まるかにみえた。

 しかしながら5回表には、この回の途中から再登板した高柳と合わせて8個の四球を出すなどして、6点を失った。

 投げてはエースの林が4回を無失点。5回には背番号11の2年生左腕・山口 啓吾も1回を抑え、14対0で、駒場学園が5回コールドで勝った。
都立光丘にすれば、いいところなく敗れた形にはなったが、4回裏には、6番本間 竜人が、バント安打を決めるなど、グラウンドが雨で湿る中、ゴロを転がして安打3本を固め、満塁のチャンスを作るなど、大量にリードを許す中でも、気持ちを切らせず向かっていく姿勢は、高校野球らしかった。

 一方駒場学園は打線が好調。初戦で大当たりした樋山 航生は、この日は打てなかったが、その代わり、4番荻原、5番林、8番川崎が打つなど、攻撃に厚みがある。林も大量点に守られ、力を抜いた投球ができただけに、今後の戦いが楽しみである。

(文=大島 裕史)

駒場学園vs都立光丘 | 高校野球ドットコム
注目記事
第98回全国高等学校野球選手権大会 特設ページ

この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

関連記事

応援メッセージを投稿

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

RANKING

人気記事

2024.05.19

【東海】中京大中京がコールド勝ちで17年ぶり、菰野は激戦を制して23年ぶりの決勝進出<春季地区大会>

2024.05.19

【24年夏全国地方大会シード校一覧】現在30地区が決定、青森では青森山田、八戸学院光星がシード獲得

2024.05.19

【宮崎】日章学園、富島、小林西などが初戦を突破<県選手権大会地区予選>

2024.05.20

【24年夏全国地方大会シード校一覧】現在31地区が決定、宮城では古川学園、仙台南、岩手では盛岡大附、秋田では秋田商などがシードを獲得

2024.05.19

あのスターたちも春季関東大会に出場していた!モノが違った8人の逸材たち【主筆・河嶋宗一コラム『グラカンvol.20』】

2024.05.15

【全国各地区春季大会組み合わせ一覧】新戦力が台頭するチームはどこだ!? 新基準バットの及ぼす影響は?

2024.05.17

「野球部や高校部活動で、”民主主義”を実践するには?」――教育者・工藤勇一さん【『新しい高校野球のかたち』を考えるvol.5】

2024.05.14

大阪体育大の新入生に兵庫大会8強の145キロ右腕、金光大阪の1番センター、近大附の4番打者など関西地区の主力が入部!

2024.05.16

【宮城】仙台一、東北、柴田、東陵がコールド発進<春季県大会>

2024.05.19

【東海】中京大中京がコールド勝ちで17年ぶり、菰野は激戦を制して23年ぶりの決勝進出<春季地区大会>

2024.04.21

【愛知】愛工大名電が東邦に敗れ、夏ノーシードに!シード校が決定<春季大会>

2024.04.29

【福島】東日本国際大昌平、磐城、会津北嶺、会津学鳳が県大会切符<春季県大会支部予選>

2024.04.22

【春季愛知県大会】中部大春日丘がビッグイニングで流れを引き寄せ、豊橋中央を退ける

2024.04.22

【鳥取】昨年秋と同じく、米子松蔭と鳥取城北が決勝へ<春季県大会>

2024.04.23

【大学野球部24年度新入生一覧】甲子園のスター、ドラフト候補、プロを選ばなかった高校日本代表はどの大学に入った?