【栃木抽選会後 展望】作新学院、文星芸大附、青藍泰斗の3強が一歩リード 3強を追う学校は?
第98回栃木大会の組み合わせが決まった。ポテンシャルの高い選手が多数揃う栃木県は、今年も激戦の組み合わせとなっている。現時点では6年連続出場を目指す作新学院、春優勝の文星芸大附、準優勝の青藍泰斗の3強がリードしているが、他にはどんな有力校があるのだろうか。
■組み合わせ表を見ながら展望を読んでみよう
第98回栃木大会組み合わせ表
文星芸大附・作新学院ブロックは甲子園出場経験のある学校が集結
佐藤 良亮(文星芸大附)
文星芸大附は、技巧派左腕・佐藤 良亮、130キロ中盤のストレートとキレのある変化球を投げ込む海老原 丞の両投手の出来がカギ。また強肩強打の捕手・小野 貴照を中心とした打線は強力。そんな文星芸大附は石橋と対戦する。そして隣の山には、なんと作新学院がいる。両校の対戦が実現するには準々決勝まで勝ち進まなければならない。
作新学院は夏へ向けて必ず仕上げるチームであり、2011年から続く6年連続の夏の甲子園出場も、十分期待できる戦力が揃っている。まず投手陣では186センチの長身から角度ある直球を投げ込む入江 大生、最速148キロ右腕・今井 達也の2枚看板で形成。パンチ力のある小林 虎太郎、山本 拳輝など長打力ある選手が揃う。春は準々決勝で敗れたとはいえ、他校は警戒しているに違いない。同ブロックには投打の柱・早川 賢汰がチームを引っ張る幸福の科学学園、また伝統校・大田原も揃うブロックとなっている。
シード校の矢板中央はダイナミックなフォームで直球と落差のある縦の変化球で勝負する鈴木 悠介や、超俊足の江尻 洋輔など今年も能力が高い選手が揃う。 また同ブロックには佐野日大がいる。佐野日大は、本格派右腕・永沢 楽、速球派左腕・中山 貴史など、投手としての素材の高さは県内でも上位レベルだが、なかなか能力を発揮しきれていないのが現状だ。
また全国的に見ても足の速さならば全国トップクラスの五十幡亮汰(インタビュー)はこの春からショートに転向。五十幡はキャッチボールを見ていても、長い距離でもライナー性で投げることができる肩の強さを持った選手。遊撃手になっても、その強さを発揮していたが、まだ下半身の動きが硬かった。夏になって動作に柔軟性が出てきたのか、注目をしていきたい。
またそして同ブロックのシード・真岡工がいきなり白鷗大足利と対戦。白鷗大足利は、完成度の高さで勝負する右腕・伊澤 京佑、速球派右腕・水野 敦之、スラッガー・秋 智也と攻守の要がしっかりといる。あとは攻守ともに完成度を高め、夏を迎えたいところだ。
3強の中でもポテンシャルが高い青藍泰斗はいかに駆け引きができるようになるか?
板垣 理音(青藍泰斗)
シード校の栃木は茂木と対戦。さらにこちらは春、作新学院を破ってベスト4入りした栃木工がさくら清修と対戦する。栃木工は、投手は変化球の制球力、また打者は140キロ台のストレートに振り負けない打撃強化を行っている。こちらのブロックは公立校が多く集まっており、もしシード校が敗れることになると、どこが勝ち上がってもおかしくない。
そして昨夏準優勝の国学院栃木も一気に畳みかける攻撃力がウリの好チーム。初戦は伝統校・宇都宮商と対戦することに。同ブロックは、強豪校にも競り合いを演じる真岡だろう。この春、準優勝の青藍泰斗は、最速146キロ右腕・石川 翔、最速145キロ右腕・板垣 理音と全国クラスのポテンシャルを持った投手が2人いる。さらに好打者である山ノ井 豪成、野口 翔といった左の好打者も立ち並び、攻撃力は非常に高い。あとはどれだけ相手の目線に立って試合ができるか。駆け引きというところが優れれば、甲子園出場も見えてくるだろう。
作新学院のブロックなどには近年の甲子園出場校が多く集結したが、青藍泰斗のブロックには久しぶりの甲子園出場を目指す学校が中心となっている。今年は例年ほど作新学院の絶対感がないだけに、かなり混戦が予想される。決勝戦までその戦いが見逃せない。
(文・河嶋 宗一)
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