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【第97回選手権大会展望】オコエ 瑠偉、清宮 幸太郎など個性的なプレイヤーが集結!注目野手をピックアップ!

2015.08.05

 今年は清宮 幸太郎の登場により注目度が上がっている甲子園だが、清宮だけではなく、強打者、俊足選手、守備が持ち味の選手など個性的な選手が多数集結しており、どの試合も見所がある。今回は甲子園で注目を浴びそうな野手たちをピックアップした。

高校生注目度ナンバーワン野手・オコエ瑠偉は甲子園でも魅せることができるか

オコエ 瑠偉(関東一)

 今年の高校生野手で注目はなんといってもオコエ 瑠偉関東一(2015年インタビュー【前編】【後編】)だ。持ち味は圧倒的なスピードで、そのスピードを見せてくれたのが東東京大会準々決勝明大中野戦。オコエは第1打席で三塁打を放ったが、その時のタイムが11秒18。三塁到達タイムは12秒29未満が基準とされているが、右打者でそれを1秒上回るタイムで達しているのだから、驚異的である。

 守備も、抜群の俊足を生かした外野守備は広く、さらに強肩。打者としても、以前よりも内回りのスイングができるようになっており、進化が感じられる。オコエの評判は日増しに高まっており、高校生ナンバーワン野手という声もあるが、それを確かなものとするためにも、甲子園で走攻守全てにおいて躍動感あるパフォーマンスを見せてほしい。

 またオコエと同じく走攻守三拍子揃った舩曳海天理)は、奈良大会2回戦智辯学園戦で2打席連続本塁打を放ち、インパクトある活躍でスタートを切ったが、奈良大会では16打数5安打で盗塁も1つとなっている。舩曳の潜在能力を考えるともっと良い成績を残したいところだ。初戦で対戦する創成館のエースは、打ち難さで勝負する左サイドの水永 悠人。左打者にとって苦労するタイプなだけに舩曳の対応力が試される場となる。

 神宮大会で大活躍を見せドラフト候補に挙がった平沢 大河仙台育英2015年インタビュー)。走塁、守備力のレベルはトップクラスであり、あとは宮城大会で打率.176に終わった打撃面のみ。チームのために、平沢らしい思い切りの良い打撃を見せてほしい。

 朝山 広憲作新学院)は投手よりも打者として注目したい。懐が深いどっしりとした構え、思い切りの良いスイング、パワーが光る強打者だ。栃木大会では2本塁打を打っており、昨夏に続き、2年連続での本塁打を打てるか。

大瀧 愛斗花咲徳栄)も、強打、強肩、俊足の外野手。パワフルな打撃を甲子園で見せていきたい。

 柘植 世那健大高崎)は、巧みなリードと強肩、勝負強い打撃が光る好捕手。数少ない捕手のドラフト候補として注目を浴びる。強打の捕手という観点では、伊藤 寛士中京大中京)が面白い。愛知大会決勝戦で本塁打を放ち、打撃好調をキープしているだけに甲子園でもその強打を見せたいところ。

 渡辺 大樹専大松戸)は、パワフルな打撃、強肩を生かした遊撃守備、5盗塁を記録した俊足が武器の大型遊撃手。初戦は花巻東の145キロ左腕・高橋 樹也との対戦が予想されるが、高橋相手に自分のパフォーマンスを発揮できるか。

 根来 祥汰(滝川二)は、兵庫大会打率.500、8盗塁を記録した巧打と俊足がウリの俊足外野手。プレースタイル的には同じ兵庫出身の野間 峻祥(広島)を彷彿とさせる選手ではないだろうか。
また打撃が自慢の智辯和歌山は、本塁打は1本のみだが飛距離、確実性、スラッガーとしての将来性はピカイチなものがある春野 航輝、思い切りの良いスイングを見せる山本 龍河も注目の強打者である。


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[page_break:静岡、東海大相模、関東一の強打のチームを引っ張る打者の存在も見逃せない]

静岡、東海大相模、関東一 強打のチームを引っ張る打者の存在も見逃せない

安本 竜二(静岡)

 まだまだ好野手はたくさんいる。選抜ベスト8静岡は打率.500を記録した強肩捕手の堀内 謙伍、三塁に転向した強打者・安本 竜二2015年インタビュー静岡大会で3本塁打を記録した内山 竣の3人が並ぶクリーンナップは全国屈指の破壊力だといっても良い。

 強打の関東一を引っ張る伊藤 雅人は打率.684、1本塁打、15打点、さらに6盗塁を記録し、さらに無失策を誇る遊撃守備も見逃せない。活躍次第ではドラフト候補に挙がる可能性を持っている。また井橋 俊貴は伊藤、オコエ以上の8盗塁。スタートを切ったときのスピードは驚異的で、甲子園ではその俊足ぶりに注目が集まりそうだ。早稲田実業加藤 雅樹は高校通算46本塁打を放った長打力がウリの捕手。清宮 幸太郎関連コラムが注目されているが、十分に怖い打者である。

 2年連続甲子園出場を決めた東海大相模は、神奈川大会決勝戦で本塁打を放った杉崎 成輝が三拍子揃ったショートストップで、日大藤沢戦(試合レポート)で逆方向へ本塁打を放った豊田 寛も強打、強肩の大型外野手。また1番を打つ千野 啓二郎も対応力、長打力を兼ね備えた二塁手で、神奈川大会で2本塁打を放った。またアグレッシブな動きが光る二塁守備にも注目だ。

 健大高崎柴引 良介群馬大会では本塁打がなかったが、ここぞという場面で一打を打てる勝負強さを持った強打者。2年連続甲子園出場の東海大甲府は4番平井 練、3番角山 颯がそれぞれ本塁打1本。長打力が自慢の2人なだけに静岡村木 文哉を打ち崩す一打を見せることができるか。選抜優勝敦賀気比は、選抜で2打席連続満塁本塁打を放った松本 哲幣にも期待がかかる。

 強打の天理ではスラッガー・坂口 漠弥選抜に続き、二季連続の本塁打を狙う。今治西藤原 睦来は投打の要だが、やはり注目すべきは長打力。4番打者として勝負強い打撃を見せていきたい。

 九州国際大附の元ロッテ・山本 功児監督の息子である山本 武白志は1本塁打、11打点、打率5割と強打の九州国際大附を引っ張る。対応力に課題を残した昨年から進化した姿を見せることができるか。

 初出場の大阪偕星学園は3番・西岡 大和と4番・田端 拓海に注目だ。西岡は一発を打つ長打力、ダイナミックな動きを見せる二塁守備に注目。そして田端は勝負強い打撃、正確なスローイング、投手の持ち味を引き出すインサイドワークが光る好捕手。大阪大会決勝戦でスクイズを決めたようにここ一番で見せる集中力あるプレーも魅力的だ。

 遊学館では下級生から経験を積んできた強打の捕手・高本 康平、スラッガー・廣橋 敬大が甲子園で長打力を発揮できるか。2年ぶりの鳥取城北は強打の外野手・布袋 翔太が初戦突破へ向けてのキーマンとなりそうだ。創成館は、投打の柱・鷲崎淳のパフォーマンスに注目だ。俊足の大型外野手・前田 禎史宮崎日大)は1番打者として突破口を切り開き、勝利に貢献するプレーを見せていきたい。


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清宮 幸太郎は徹底マークの中、一打を打てるか

清宮 幸太郎(早稲田実業)

 下級生ではやはり1年生スラッガー・清宮 幸太郎早稲田実業)の名前が挙がる。西東京大会では打率5割を記録し、バットコントロールの良さが光っているが、ここまで本塁打がない。周囲が求めるものは非常に高いが、その重圧に負けず、初戦の今治西戦では、ハツラツとしたプレー、思い切りの良い打撃を見せてほしい。

 また清宮と同じく1年生スラッガーとして注目されている村上 宗隆九州学院)は、1年生ながら熊本大会で本塁打を放っている。同じ1年生だと、神野 太樹天理)は選球眼の良さ、スイングの鋭さがウリの巧打者。ファールで粘ったり、考えながら打撃ができるところが強みである。

 2年生では、静岡の1番静岡鈴木 将平は、7盗塁を記録した俊足と打率.538を記録した打撃でチャンスメイクに徹してきた。今大会では塁上に立ってどんなプレーを見せていくだろうか。伝統的に好遊撃手を輩出する花咲徳栄は、2年生ショート・岡崎 大輔が攻守の要であり、来年のドラフト候補の1人として注目をしていきたい選手だ。同じ遊撃手では、林中 勇輝敦賀気比)が攻守にバランスが取れた選手で、この夏は3番打者としてチームを引っ張っている。

 4年ぶり出場の明豊は、打率.500を記録し、好投手相手にも鋭い打球を打つ山中 大輝、さらに安定した遊撃守備と巧打が光る大庭 樹也の2年生コンビも注目だ。

 今回、将来性が高い野手を中心にピックアップを進めていったが、野手はどの選手もヒーローになる可能性があり、ここに挙げなかった選手も一気に脚光を浴びる可能性を持っている。松本 哲弊敦賀気比)の選抜での活躍はまさにサプライズともいっていいものであった。今年の甲子園でも、そんな活躍を見せる選手が一人でも多く登場することに期待したい。

(文・河嶋 宗一


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この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

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