21世紀枠 各地区候補 紹介!八幡南(福岡)
21世紀枠 各地区候補 紹介!八幡南(福岡)
第87回選抜高校野球大会の21世紀枠の各地区候補9校が発表された。高校野球ドットコムでは、各候補校の推薦理由と地区選考状況を1校ずつ紹介をしていく。最終回は九州地区の八幡南を紹介!
九州地区:八幡南(福岡・県立)
・高校別データ:八幡南
・学校創立:1962年 生徒数:825人(男子329,女子496)
・野球部創部:1963年 部員数:29人(女子マネージャー4名を除く) 甲子園:出場経験なし
・秋季福岡大会3位、九州大会1回戦
【推薦理由】
学校の特色は地域への人材輩出。具体的には公務員試験の合格者数で、二十数年前は全国一にもなり話題になったが、現在も福岡県一位の合格者数であり、野球部員も公務員の道に進む者が多い。そのため、八幡西区長をはじめ地元周辺の郵便局長などに多数の人材を輩出している。野球部員も数年前から朝課外前の7時から地域の清掃活動に励むなど、学校、野球部とも地域を支え愛される存在である。
周囲には旧制中学時代から甲子園に出場するなど強豪校も多く、上記の様な特色の八幡南は甲子園出場はおろか、九州大会への出場も一度もなく、夏の福岡大会もベスト16が最高というものであった。しかし、OBである現監督が就任してからメキメキと力をつけ、今秋の県大会では、九州大会出場が有力視されていた地元の強豪・東筑や、優勝候補筆頭の西日本短大附を接戦の末に破り九州大会に初出場した。九州大会でも聖心ウルスラ(宮崎)に逆転負けしたが、大接戦を演じるなど日頃の努力の成果をいかんなく発揮した。
グラウンドは狭く、サッカーなど他の部活動と共用し、バッティング練習は週一回木曜日のみ。他の曜日は内野だけの使用で、火曜日は全面明け渡し、練習時間は通常で16:30~19:00、7限授業の日は17:30~19:00となっている、そうした困難を、携帯電話や音楽再生機の使用を制限し指導者や他の部員たちとの対話の時間に使う、カウントなど状況設定した中で内野守備と走塁の練習を合体させる工夫と、狭くて時間がないからこそ指導者と部員、部員間の距離が縮まるチャンスと捉えた発想の転換が躍進の背景にあった。また、考査前の休日には2時間を1試合に見立て、2時間×4回の勉強会を実施している。学業との両立や進学のためのみならず、集中力の持続、教えあうことによるコミュニケーションの強化にも役立っていることも、今回の躍進の背景になっていると考えられる。このようにほぼすべての推薦項目にあてはまる稀有な野球部であるとの確信から、21世紀枠の推薦となった。
【地区選考状況】
21世紀枠の選考基準や推薦項目などを確認した後、九州地区8県すべての推薦校について各県の理事長がプレゼンテーションを行った、その後各校の推薦理由や推薦項目を精査し、困難条件克服、秋季大会実績などから、八幡南(福岡)、鳥栖工(佐賀)、宇土(熊本)、首里(沖縄)の4校に絞った。その4校を再び精査し、困難条件克服、学業との両立、強豪校からの惜敗などの面で、八幡南と首里の2校に絞った。
さらに細かく精査するも両校は甲乙つけがたく、もう一度言い残したことも含めて3分程度の最終プレゼンテーションを行った。その内容も甲乙つけがたいものであったが、グラウンドをはじめとした困難さを克服した点、指導者と部員の距離の近さ、甲子園に一度も出場した事が無い点などを考慮し八幡南に決定した。