試合レポート

大曲工vs花巻東

2014.10.27

花巻東が2戦連続の延長15回引き分け

大曲工vs花巻東 | 高校野球ドットコム

15回を完投した大曲工・武田龍成

 大曲工花巻東の準々決勝は、両校とも譲らず、延長15回引き分けとなった。
花巻東東日本国際大昌平との初戦(2回戦)に続き、2戦連続での延長15回引き分け再試合となった。

 4対4のスコアに似つかず、両校合わせて30安打の乱打戦だった。
1回表、先攻の大曲工は2死から3番・中野星夜がセンター前に、4番・武田龍成もセンター前に安打をマークした。5番・中邑一生がセカンドゴロに倒れ、先制できなかったが、花巻東の先発・浦島大樹を捉えた。

 その裏、花巻東が2点を先制する。1死1、3塁で4番・千葉耕太がライト前に先制タイムリー。5番・佐々木勇哉がレフト前ヒットで満塁とすると、6番・佐藤太郎がセンター前にタイムリーを放って追加点を奪った。

 花巻東が主導権を握ったかと思われたが、大曲工は3回、2死から3番・中野、4番・中邑が1回に続いてまたもや連打でチャンスを作る。1打席目のチャンスで凡退した5番・中邑が今度は、センターオーバーの2点三塁打を放って同点とした。

 さらに、花巻東が先発・浦島から2番手・加藤三範、3番手・門崎愛紀を投入した4回、2死2塁で1番・佐々木駿一の右中間へのタイムリー三塁打で逆転した。1点を追う花巻東は6回からエース左腕・高橋樹也をマウンドに送ったが、大曲工はさらに追加点を奪った。

 この回、先頭の7番・岡本昌真がレフト前ヒットで出塁すると、見逃し三振、バント失敗などで2死となったが、1番・佐々木が右中間へ三塁打を放ち、一走・岡本が4点目のホームインを果たした。


大曲工vs花巻東 | 高校野球ドットコム

9回、同点タイムリーを放った花巻東・千田京平

 リードを広げた大曲工だが、ここからが“逆転の花巻東”だ。
 6回裏、この回、先頭の4番・千葉のレフト前、5番・佐々木のセンター前と連打で出て、6番・佐藤が犠打を決めた。1死2、3塁で7番・佐藤唯斗がセンターへ犠牲フライを放って1点を還した。しかし、7、8回とチャンスを作るも、大曲工の先発・武田が踏ん張りを見せる。

 大曲工が逃げ切るかと思われた9回裏、花巻東は1死から2番・福島圭斗がライト戦へ三塁打を放ち、土壇場で同点のチャンスを作った。そして、3番・千田京平がライトへ同点タイムリーを放つ。逆転までとはいかなかったが、同点に追いついて延長にもつれ込んだ。

 花巻東・高橋は「スライダーを打たれたので真っすぐを多めにした」と、ストレートで押して大曲工打線を寄せ付けない。9回以降、大曲工に許したヒットは12回の1本のみ。12回以外は全て三者凡退に抑える鬼気迫る投球だった。

 ところが、「みんなが『思いっきり、腕を振れ』と声をかけてくれて、低めに投げることを貫いていこうと思った」と話した大曲工・武田の前に、打線が幾度もあったチャンスをものにできなかった。特に14回裏、2死三塁で打席に立った7番・佐藤唯は「決めないといけないという責任があった」。

 大曲工・阿部大樹監督は「武田は要所で低めに投げて打ち取っていた。花巻東高橋樹也君の気迫の投球の中で流れを持っていかれ、打てなかったが、ウチも負けてはいなかった」と話した。

 花巻東・佐々木洋監督は「再試合自体が初めてなのに、1大会で2つも…涙が出てきます。明日は勝たないといけない。気持ち的には、負けゲームを拾ったと思って、気持ちを切り替えて頑張ります」と前を向いた。

(文=高橋 昌江

この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

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