【侍ジャパン18U代表】沖縄尚学高等学校 山城 大智選手
甲子園のファンを沸かせた”ライアン”山城 大智(沖縄尚学)の18Uアジア大会デビュー戦は、まさかのノーライアンで始まった。その理由とは? そして、そのライアン投法の真髄に迫る。
ライアン投法の生命線は股関節の柔軟性
山城 大智(沖縄尚学)
「今日はノーライアンデーでした」
本人が語るように、今日の山城は全く独特の足上げをしなかった。理由を訊いてみた。
「今日は球威よりも、コントロールを重視しました」
確かに立ち上がりから両サイドへのコントロールが安定していた。やはり独特の足上げに比べると球威は落ちてしまうので、球速は常時130キロ~135キロ(最速136キロ)とやや控えめな内容であった。だがテンポも良く、3回パーフェクト6奪三振の好投で、マウンドを降りた。
ライアンと呼ばれるようになった独特の足上げは、まさに山城の専売特許とも言っていい武器だ。その独特の足上げが出来るのは股関節の柔軟性にある。関西大学のオープン戦前の練習で、山城の柔軟体操を見ていたが、しっかりと身体が地面に着いていた。それが頭にあったので、あの独特の足上げは股関節の柔軟性がないと投げられないねと聞くと、
「その通りです。硬い人は絶対に投げられないフォームです」
と自信を持って答えてくれた。では山城はどのようにして柔軟性を身に付けたのか。それは普段からの股関節のストレッチだという。もともとから股関節の柔軟性に自信があった山城。今のフォームを取り入れる時に、股関節の柔軟性を維持するためにも、練習後は毎日欠かさず、ストレッチを行ってきたという。時間はその日によってまちまち。これで良いと思えば、すぐに済ませた。その積み重ねとして、独特のライアン投法をより磨き上げた。
今後の登板は決勝リーグになるだろう。その時はライアン投法で行くかと聞いてみた。
「もちろんです。相手はしっかりと振れる打者が多いですし、今日のような球威では厳しいと思うので、全力で立ち向かっていきたい」
嵌ったときはとても手が出せないような一級品のストレートを見せて、甲子園のファンを沸かせた山城。今大会でも、ライバル韓国、台湾にあっと言わせる豪快なストレートを投げ込むつもりだ。
(文・河嶋宗一)
【試合レポート】18U日本代表vsスリランカ(2014年9月02日)