試合レポート

東北生文大高vs仙台

2014.04.16

東北生文大高が新監督のもと、コールド発進

東北生文大高vs仙台 | 高校野球ドットコム 

気合を入れる仙台ナイン

 春は別れと出会いの季節。高校野球の監督も多くは教員で、公立なら人事異動で他校への転勤もある。この春も、新しい監督とスタートを切ったチームが多数、あるだろう。

 私立ではあるが、東北生文大高もその1つだ。普通科、商業科、美術・デザイン科の3学科があり、地元では「生文」と呼ばれている。元々は私立の女子校だったが、2003年に男女共学になり、野球部は2007年に創部された。創部翌年の2008年夏に1勝、翌2009年夏には2勝を挙げたものの、その後、夏の宮城大会は初戦敗退が続いている。

 さらに、春と秋は地区大会で敗れ、県大会出場はない。この東北生文大高の監督に就任したのが3月まで公立の石巻商を率いていた水沼 武晴監督だ。3月で公立校の教員を退職し、いち商業科の教員として東北生文大高に務めるはずだったが、前監督の退任により、野球部を指導することになった。母校・仙台商では1995年、96年と2年連続で宮城大会決勝に進み、前任の石巻商では2度、東北大会に導いている。

 


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東北生文大高・森川投手

 
3月末の石巻商での離任式では、涙で生徒とお別れ。新天地では新学期の慌ただしい中、正式に監督をすることが決まったのは今月8日。練習に顔を出せたのは3回のみで、練習試合でも指揮を執れないまま、この日の公式戦を迎えた。「まだ選手の名前を覚えられていないんです」と申し訳なさそうに話す水沼監督にとっても、選手にとっても、ぶっつけ本番の初陣だった。

 1回表、東北生文大高は1番・佐藤 智輝がライト前ヒットを放ち、2番・佐藤 潤哉が犠打を決めて一死二塁。3番・小野寺 悠真がライトフライで二走・佐藤 智が三進するも、4番・高橋 祐人が空振り三振。得点こそできなかったが、初回の攻撃で流れを作った。その裏を、先発した背番号10の森川 龍之介が三者凡退に抑える。

 すると2回表、2死から7番・渡辺 太斗、8番・大橋 輝の連打でつなぐと、9番・森川がセンター前にタイムリーを放って先制した。3回も二死から相手のエラーで1点を加えると、4回にはスクイズと犠牲フライで2得点とリードを広げた。7回には3本の二塁打が飛び出し、4点を挙げてコールドを決めた。

 投げては、森川が力のあるストレートを軸に5回二死まで四球とエラーで2度、走者を出したのみと好投。新監督と過ごした時間はまだ短かっただけに、及川 元聡主将は「不安もありましたが、勝てて良かったです」と笑顔を見せた。
 9対0の7回コールドで新たなスタートを切った生文。宮城に新風を巻き起こせるか。

(文=高橋 昌江

この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

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