試合レポート

國學院久我山vs都立大崎

2014.03.22

大量15得点!國學院久我山が都立大崎に5回コールド勝ち

國學院久我山vs都立大崎 | 高校野球ドットコム 

3回表、一死一、二塁からセンター前に1点適時打を放つ2番山本和輝(国学院久我山)

 1回から大量得点を奪った國學院久我山が、15対0、5回コールドで都立大崎に勝利。3月23日に[stadium]国士舘大学多摩キャンパス野球場[/stadium]で行われる第5ブロック代表決定戦へ進出した。

 先攻の國學院久我山は1番長田が四球で出塁すると、2番山本 和輝のバント、3番植田の四球で1死一、二塁。続く4番江川のセンター前適時打で1点を先制、さらに6番斎藤のレフト越え二塁適時打など、3安打に4四球を絡め、打者10人で一挙に6点を入れた。

 続く2回も3番植田のセンター前安打、4番江川のライト前安打に相手の暴投を絡めて1点を加えると、3回には、代打で出場した先頭の9番後藤が相手のエラーを誘い、出塁。1番長田、2番山本、3番植田、4番江川が4者連続安打を放つなどし、3点を奪った。なおも一死満塁のチャンスで、7番小垣は落ち着いて四球を選び、さらに1点を追加。
4回にも打者一巡で3点、5回にはダメ押しの1点を入れ、大量15得点で5回コールド勝ちを決めた。

 対する都立大崎は1回裏、1番大西 梢哉が相手のエラーで出塁、盗塁と内野ゴロで三塁に進んだものの、チャンスを生かせず。3回、4回にも相手エラーや四球でランナーを出したが、國學院久我山の先発西村、2番手高橋、3番手吉田を前に、無安打に終わった。

 國學院久我山の尾崎直輝監督は、「久しぶりの公式戦ということで、硬さは見られたが、1回裏にランナーを出してもアウトを取り切ったことで、リズムが出たと思う」と話した。

 その尾崎監督が「ツーストライクからでも簡単に終わらず、役割を果たしてくれた」と評価したのが、2番山本だ。
1回にはバントをきっちりと決め、ランナーがいた3、4回にはレフト前安打、5回にも無死二塁から内野ゴロで着実にランナーを進塁させた。

 山本は、「久しぶりの試合にしては、自分たちの力を出し切れたと思う。2番打者として、状況に応じた役割を打席ごとに整理して臨めた。それに、冬のトレーニングで、素振りに力を入れてきて、スイングに自信が出てきた。だから、今日もどんどん振っていけたと思う」と振り返った。

 主将の中村 怜生は、「チームの雰囲気は良かったけど、少し焦りが出る部分があったと思う。次の試合はしっかりと修正して、本大会につながるよう、やっていきたい」と力を込めた。


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2回表、二死満塁のピンチで先発の佐藤一磨㊨(都立大崎)に声をかけるキャッチャーの藤木亨(同)

 敗退した都立大崎は創部からわずか1年弱。昨夏、錦城学園に0対19で敗れた試合を意識する部分があったという。橋本康徳監督は、
「昨夏の錦城学園と同じく強豪の國學院久我山相手に、どれだけできるのか、ある意味楽しみな部分もある試合でもあった」と話す。

 春に新入生が入部すれば、ようやく3学年がそろう都立大崎野球部。現在は12人だが、大量失点をしながらも、ベンチから「笑顔で」という声が聞こえてくるなど、雰囲気の良さが印象的だった。

「本当に野球が好きな子供たち。12人しかいないので、困ったときはお互いに助け合おう、と話している」と橋本監督。

 主将の藤木 亨は、「初回の失点で沈んでいる選手も多かったけど、だからこそ、積極的に声を出していった。後半からは気持ちを切り替えて、夏につながるようやろう、と思えた。夏に向けて、打力を上げていきたい」と前を向いた。

 橋本監督が夏に向け、成長を期待しているという先発の1年生投手佐藤 一磨は、

「公式戦の立ち上がりが悪いのが、夏に向けての課題だと思う。公式戦に慣れて、夏はどんな相手でも抑えられるよう、頑張っていきたい」と決意していた。

 試合後、「この悔しさを夏につなげていかないといけないよ」と選手たちに話したという橋本監督。
「バッティングの力や守備など、課題も見つかったけど、左投手相手に、二つ盗塁を決められたというのが、大きな収穫。うちには左投手がいないので、練習もできない状況だったのに…。夏までにチームのいいところを伸ばし、夏はスチールやセーフティーバント、エンドランなど、足を絡めた試合をしていきたい」と力を込めた。

(文=木村 明日香)

この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

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