試合レポート

美濃加茂vs関商工

2012.09.17

美濃加茂vs関商工 | 高校野球ドットコム

美濃加茂・河内

美濃加茂 辛勝でベスト8

同じ中濃地区で凌ぎを削る強豪校の対戦は、乱打戦の末、美濃加茂が夏の準優勝校・関商工に競り勝ちベスト8進出を決めた。

もつれた試合は、最後の最後まで息の抜けない展開になった。9回裏に2点を追う関商工が二死満塁とし、1番堤勇樹(2年)がライト前ヒット。三塁走者が還って1点差となり、なおも二塁走者もホームを狙ったが、ライト伊藤大輝(2年)からの好返球によりタッチアウトとなり、熱戦は幕を閉じた。美濃加茂の西村光司監督は「よく最後にきちっと守ってくれた。これまで守備練習に時間を費やしてきたが、土壇場の守備で選手が踏ん張ってくれた」と流れる汗をぬぐいながら話した。

序盤に大量点を挙げたことが、美濃加茂が試合を進める上で有利に働いたと指揮官は振り返る。初回、2四球と安打で満塁とし、6番伊藤の左中間スリーベースで3点を先制した。2回表には1番柳田望光(2年)の中堅スリーベースなどで加点し、3回表にも7番大杉将成(2年)、8番浅野文博(2年)の連打で6点目を挙げた。

興味深いのは、4番河内一将(2年)が5打席全てで塁に出たことだ。ただ5回のうち4回は四球によるもの。中学時代はシニア東海選抜に選ばれ国際大会も経験した強打者が、ことごとく勝負を避けられたわけだ。とはいえ、軸となる4番がいるのは打線にとって大きなプラス材料。河内は「4番は警戒されるもの。打てる球はしっかり打っていかないといけない」と気を引き締めるが、この日もその言葉通り、ランナーなしで迎えた第4打席にはヒットを放ち、6番伊藤のスクイズで7点目のホームを踏んだ。

投げては公式戦1イニングしか経験のない進藤直人(1年)が踏ん張り、敵の猛攻をぎりぎり食い止めた。先発した浅野は立ち上がりに4失点したが、投球に勢いはあった。力のあるボールを投げていただけに、体の使い方をもう少しまとめられれば今後の好投も期待できそうだ。

敗れた関商工は1番堤が2本のタイムリーを放つなど気を吐き、あと一歩まで相手を追い詰めたが惜敗した。夏の大会で好投した長野航汰(2年)がベストコンディションではなく、投手陣は苦しい戦いを強いられた。北川英治監督は試合前「(攻撃時の)バント、(守備での)バント処理など、細かい部分でミスが出たほうが負ける」と話していただけに、同監督は6回表に自陣のバント処理ミスが失点に直結したシーンなども反省点に挙げた。試合後は「モタモタしすぎた。これだけミスが出て、勝っちゃいけないよ」と肩をすくめながらも、来年春・夏へ向けて巻き返しを誓っていた。

(文=尾関 雄一朗

この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

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