試合レポート

高松商vs高瀬

2012.03.23

高松商vs高瀬 | 高校野球ドットコム 

背番号9もスタメンマスクを被った吉川隼人(高松商2年)

昨秋四国ベスト4の高松商、「要観察」付きの圧勝

昨秋は県大会優勝。続く四国大会もベスト4まで進出した高松商。しかしながら、四国大会における極度の打撃不振がたたり、センバツ選考では四国地区でも明徳義塾(高知)に続く補欠2位校に終わった。

よって彼らにとって、この春季香川県大会は第1シードとして単に秋春県大会連覇という結果だけがノルマではない。「補欠校に選ばれたことよりもセンバツに出れなんだ悔しさしか残っていない」(黒坂季央監督)感情を胸に、体力強化と思い切りよいバッティングに取り組んできた成果を試合内容で示すこと。それが96年夏以来、実に15年以上もの間遠ざかる住み慣れた場所、甲子園へ向けて一番の近道だからである。

ただし、秋の県大会初戦の再戦となった高瀬戦のみを見た限りでは、その成長度合いをはっきり認識できる要素は少なかったといってよい。点差こそ3点差(5対2)の僅差から10点差の圧勝へと変化したが、その全ての得点は相手失策や暴投絡み。

「特にランナーを置いたときのバッティングは、ただバットに当てるのが精一杯な感じ。バットを振らされた感じでしたね」と指揮官も嘆いたように、畳み掛けられる場面で内野ゴロの山を築かされた点は大いに反省すべきであろう。

その一方で、もちろん評価すべき点もある。チーム8安打中6本の長打はいずれもライナーで外野の頭ないし、間を鋭く破ったもの。常時130キロ前半をマークできるようになった絶対エース・谷川宗(3年)の状態と共に、パワーが明らかに付いた点は、今後に向けて明るい材料だ。

「練習はしっかりできた。あとはゲームの中でそれをいかに出せるか」(黒坂監督)。そして「要観察」が付いた高瀬戦の評価がどのように変化するか。真価が問われる次戦以降に期待したい。

(文=寺下友徳)

この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

関連記事

応援メッセージを投稿

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

RANKING

人気記事

2024.06.01

大阪桐蔭、山梨学院、慶應義塾…強豪校・名門校の昨年度卒業生はどの進路を歩んだのか?【卒業生進路一覧】

2024.06.01

【愛知】報徳学園は豊橋中央にサヨナラ勝ち、豊川には黒星<招待試合>

2024.06.01

【東京六大学】早稲田大が大勝で7季ぶり優勝に大手!プロ注目スラッガー・吉納が2発、エース伊藤は8回1失点の快投見せる!

2024.06.01

センバツ出場の豊川がセンバツ準Vの報徳学園を破る!課題だった投手陣に手応え【愛知招待試合】

2024.06.01

【鹿児島】神村学園と鹿屋農が決勝進出<NHK旗>

2024.05.31

【24年夏全国地方大会シード校一覧】現在34地区が決定、佐賀では佐賀北、唐津商、有田工、龍谷がシードに

2024.05.28

交流戦開幕、初戦の注目は髙橋宏斗vs.今井達也の初対決!

2024.05.28

【鹿児島】鹿児島玉龍と樟南が8強へ<NHK旗>

2024.05.28

【鹿児島NHK選抜大会】錦江湾が1点差勝利!出水工の追い上げ、あと1点及ばず

2024.05.28

【佐賀】佐賀商と龍谷が、ともにコールド勝ちで決勝へ<NHK杯>

2024.05.21

【大学野球部24年度新入生一覧】甲子園のスター、ドラフト候補、プロを選ばなかった高校日本代表はどの大学に入った?

2024.05.15

【全国各地区春季大会組み合わせ一覧】新戦力が台頭するチームはどこだ!? 新基準バットの及ぼす影響は?

2024.05.13

【24年夏全国地方大会シード校一覧】現在29地区が決定、愛媛の第1シードは松山商

2024.05.31

【24年夏全国地方大会シード校一覧】現在34地区が決定、佐賀では佐賀北、唐津商、有田工、龍谷がシードに

2024.05.19

【24年夏全国地方大会シード校一覧】現在30地区が決定、青森では青森山田、八戸学院光星がシード獲得