試合レポート

神村学園vs松陽

2011.10.20

神村学園vs松陽 | 高校野球ドットコム

得点シーン

「相手に嫌がられる野球」本領発揮・神村学園

 チームが目指す「相手に嫌がられる野球」(山本常夫監督)の本領を発揮した神村学園松陽の挑戦を退けた。

18安打の打力もさることながら、無安打で2点を先取した初回の攻撃が印象深い。四死球で出塁した新納真哉、田中が意表を突く重盗を仕掛けた。立ち上がりの無死一二塁なら送りバントがセオリーだが「三盗はアウトになってもOK。一死二塁ならもう一度勝負できる。山下の打力を活かしたかった」(山本監督)。スタートは少し遅れたが「うまくスライディングしてタッチの下をかいくぐれた」新納の足が勝った。3番・山下は三ゴロだったが、新納は捕手の捕球ミスをかいくぐり先制のホームを踏んだ。

 18安打中10本が長打、それも外野の間をライナーで抜いていく打球が多かった。3回戦の鹿児島東戦でサイクル安打の7番・中園史剛は二塁打、左前打、三塁打の3安打を放った。

 「相手に嫌がられる野球」のために「打って勝つ」ことよりも「打てなくても点を取るにはどうすればいいか」(山本監督)を新チームの課題にしていた。夏の甲子園に出た前チームほどの打力はまだない中で「1安打で3点取れる」野球を目指した。足を絡めて揺さぶれば相手にミスが出る。何をしてくるか分からない警戒心を起こさせれば、好投手の制球も甘くなって打てる確率が高くなる。山本監督は「こういう野球をすれば点が入ることが分かってくれたと思う」とチームの成長に自信をのぞかせていた。

(文=政純一郎

この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

関連記事

応援メッセージを投稿

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

RANKING

人気記事

2024.05.19

【東海】中京大中京がコールド勝ちで17年ぶり、菰野は激戦を制して23年ぶりの決勝進出<春季地区大会>

2024.05.18

【秋田】明桜がサヨナラ、鹿角は逆転勝ちで8強進出、夏のシードを獲得<春季大会>

2024.05.18

【岩手】一関二、盛岡誠桜などが初戦を突破<春季大会>

2024.05.18

【関東】昌平・山根が2発5打点、東海大相模・4番金本が2ランなどで初戦を快勝、東海大菅生は山梨学院を完封<春季地区大会>

2024.05.18

【長崎】長崎西、島原中央などが初戦を突破<NHK杯地区予選>

2024.05.15

【全国各地区春季大会組み合わせ一覧】新戦力が台頭するチームはどこだ!? 新基準バットの及ぼす影響は?

2024.05.13

【24年夏全国地方大会シード校一覧】現在29地区が決定、愛媛の第1シードは松山商

2024.05.17

「野球部や高校部活動で、”民主主義”を実践するには?」――教育者・工藤勇一さん【『新しい高校野球のかたち』を考えるvol.5】

2024.05.14

大阪体育大の新入生に兵庫大会8強の145キロ右腕、金光大阪の1番センター、近大附の4番打者など関西地区の主力が入部!

2024.05.16

【宮城】仙台一、東北、柴田、東陵がコールド発進<春季県大会>

2024.04.21

【愛知】愛工大名電が東邦に敗れ、夏ノーシードに!シード校が決定<春季大会>

2024.04.29

【福島】東日本国際大昌平、磐城、会津北嶺、会津学鳳が県大会切符<春季県大会支部予選>

2024.04.22

【春季愛知県大会】中部大春日丘がビッグイニングで流れを引き寄せ、豊橋中央を退ける

2024.04.22

【鳥取】昨年秋と同じく、米子松蔭と鳥取城北が決勝へ<春季県大会>

2024.04.23

【大学野球部24年度新入生一覧】甲子園のスター、ドラフト候補、プロを選ばなかった高校日本代表はどの大学に入った?