試合レポート

聖望学園vs所沢中央

2011.07.17

聖望学園vs所沢中央 | 高校野球ドットコム

6回、勝ち越しのHRを放った瀧瀬(聖望)

聖望、延長12回の熱戦を制す。

16日(川越初雁球場)の3回戦は聖望学園所沢中央の対戦。
聖望学園は初回2死から3番・村田がライトへ二塁打、4番に入った中村が四球で続き、2回戦でホームランを放った好調5番・奥村が初球をセンターへ運び、1点。この試合6番に起用された小島(2年)も期待に答えレフト前にタイムリー。2点を先制する。

対する所沢中央は4回表、3番・高橋が四球、4番・渡里もライト前と続き、5番・石井のバントで1死2・3塁に。このチャンスに6番の主将若林が初球をレフト前タイムリーで1点を返す。更に7番長屋は三振で2死後、8番・投手・墨のショートゴロエラーで2点目が入り2-2の同点に追いついた。

同点とされた聖望学園。6回2死から先発瀧瀬が2-1からの4球目、真中高目をフルスイングすると打球はレフトポール際に飛び込む勝ち越しのホームラン。
直後の7回。5・6回を三者凡退に押さえ立ち直った瀧瀬が掴まる。

7番・長屋がこの試合2本目となる二塁内野安打で出塁し、8番の初球に盗塁。さらに8番が送り1死3塁。ここでベンチは9番櫻井のカウント2-1からスクイズを指示。これが見事に決まり再び3-3と同点に追いつく。


聖望学園vs所沢中央 | 高校野球ドットコム

サヨナラに歓喜の聖望ナイン

尻上がりに調子を上げた所沢中央の先発・墨の前に、聖望は8・9回を三者凡退と打線が沈黙。試合は3-3のまま延長戦に突入。

両校、ランナーは出すもののあと一本がでずに膠着状態となった延長戦。試合が動いたのは延長12回。聖望学園の攻撃。
3番・村田のショートゴロがエラーを誘い1塁。4番途中出場の乙幡が確実に送り1死2塁とサヨナラのチャンス。迎える5番の主将奥村。初球をセンター前に痛打。当たりが良すぎて2塁走者は3塁ストップし1・3塁。

このチャンスに打席には6番斉藤。
1・2戦とも4番に起用されたが、不振でこの試合はベンチスタート。3日間の練習で自分の打撃を取り戻したかが問われる最高の場面。

初球スライダーのカンウトと1-0から、(次はストレート)読み通り2球目は外角に。投手の足元を狙った打球は投手のグラブをはじきセンターに抜ける。3塁走者村田は手を叩いて笑顔のホームイン。
聖望学園が延長12回の熱戦をサヨナラで制した。


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好投を見せた所沢中央・先発の墨

一方、惜しくも敗れた所沢中央・先発の墨。12回を投げ抜き惜しくも敗れたが、先制されたあと尻上がりに調子を上げ、スライダー、ストレートを低目に丁寧に集め、7回から11回まで聖望学園打線をノーヒットに押さえた。
正確な低目のコントロールは再三にわたる外野への大飛球を好守した守備陣に大きな支えと力を与えた。
安定感では聖望の瀧瀬を上回る投球だった。

終盤、暑さと疲労の中最後まで諦めず闘志を見せた戦いは賞賛される。

甲子園4回出場の聖望学園をここまで追い込む生徒の頑張りを、惜敗した所沢中央の村上監督も称えていた。
安打数は10本と9本と差は無いが、盗塁数は、聖望4に対し所沢中央1。積極的に走る聖望野球が勝負を分けた。猛暑の中、2時間52分は熱戦は記憶に残るの戦いとなった。

【聖望学園・岡本監督】
厳しい試合だったが投手が後半も良く抑えた。打線はボールを捕らえていたが、相手外野の守備(位置好守)に阻まれた。

相手投手の低目へのコントロールも良く安定感があった。1・2回戦は相手の四球やエラー絡みで得点出来たが、良い投手に当れば間単には勝てない。瀧瀬は後半ボールが浮いたが良く抑えてくれた。同点で踏み留めたのが勝因。せった試合に勝った事は大きな自信になる。打力はまだまだだが、試合を重ねる毎に強くなるチームと感じている。

(文=滝島利夫

この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

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