立正大淞南vs鳥取西
勝利の瞬間
再び着けた背番号1
最後の打者の打球がレフトのグラブに収まると背番号1が思わず手を叩いた。そしてガッツポーズも出た。
昨春以来の背番号1をつけたエースの好投で、島根4位の立正大淞南が、鳥取1位の鳥取西相手に完封勝ちを収め、準決勝に進出。これで今大会ベスト4に勝ち上がったチームはすべて島根県勢となった。
試合後、立正大淞南の太田充監督は「(島根県勢がすべて勝った)前の3試合でプレッシャーをかけられていたので、とりあえずよかったです」と胸をなで下ろした。
この日、雨の影響で第一試合の開始時刻が約1時間半遅れたこともあり、第4試合目となったこの試合は、8回からナイターが点灯した。そのカクテル光線を浴び、立正大淞南の背番号1がマウンド上で一際を輝いてみえた。
その背番号1とは立正大淞南のエース・田邊健太である。昨春に一度は背番号1を着けたものの、厚みのある投手陣のなかでエースナンバーをなかなか着けられなかった。
だが、実力で勝ち取り、再び着けた背番号1。今大会初戦でいきなりその本領を発揮した。丁寧にコーナーを突くらしさを貫き、鳥取西打線に7安打を打たれながらも粘り強く要所を締め、完封勝利を飾った。
「緊張感ある公式戦のなかで、どうトレーニング積んでいくかということが大事。明日はいろいろ試したい。最後(夏)まで競争ですからね」と太田監督は手綱を引き締めたが、最後に「田邊はよかったですね」と成長した左腕を称えた。
(文=アストロ)