日大三vs実践学園
先発の役目を果たした関(日大三)
強烈！日大三、本塁打攻勢で実践学園を圧倒
圧倒的な破壊力を見せつけた日大三。
やはり、今年の東京都の中では抜けた存在であるということを改めて証明した試合だった。
こういう試合を見せられると、果たして、この打線を抑えられるチームがあるのだろうかと思ってしまうくらいである。
それでも、小倉全由監督は、
「打線は、普通に打ってくれればある程度は打てるとは思っています。それよりも、この大会はシードがないということもあるのですが、吉永を少し休ませて、それに続く投手を作っていきたい」と、さらに貪欲にチームを分析して上を見据えている。そんな気持ちで戦った試合でもあったようだ。
吉永君に続く投手としての任を与えられた一人として、背番号14の関君が先発したのだが、打線の爆発もあって５イニングだったものの、２安打のみでしっかりと「０」に抑えていたのはまずは合格点ということだろう。
実は、この日は畔上君も登板予定に入れていたということなのだが、５回で終わってしまったことで登板機会がなかった。
ビックリさせられたのは、やはり日大三の破壊力だった。
初回は二者が三振したものの、その後内野安打に失策で好機を作ると、清水君の二塁打で先制。しかし、それはその後のことを思えば、ほんの序幕だった。
打った瞬間それと分かるHR・畔上(日大三)
２回は２死一塁から一番に戻って高山君が左中間二塁打して二三塁とすると、続く金子君が右翼へ３ランを放って突き放した。
それでも、３回は実践学園の三竹君も三者凡退で凌いでこらえた。試合としての体裁はここまでは保つことが出来たものの、４回日大三打線の大爆発となって決定的となってしまった。
この回、日大三は先頭の谷口君が死球で出るとバントで二進。九番関君の中前打で５点目が入ると一番に回って、高山君がつなぐと、金子君の右線三塁打でさらに２点を追加。
そして、畔上君は右翼へ一直線糸を引くようなライナーの２ランを放ったが、まさに打った瞬間のホームランだった。
続く、横尾君も右中間へ放り込んで、これには実践学園の三竹君もどうしようもなかった。
日大三は、その後も１点を追加したが、盤石の強さを見せつけての４強入りといっていいだろう。
センバツ大会でも４強入りした日大三はこの大会はシード権がかからないことになったということもあったのだが、それでも勝っていかなくてはいけない使命感のあるチームとしては、完璧なまでの試合をしておかなくてはならない。
だから、小倉監督としても、大勝にも手綱を緩めることはなく、しっかりと引き締めていた。
それにしても、東京のチームでこの日大三を止められるところが、あるのだろうか。
（文＝手束 仁）
