福井商vs佐久長聖
福井商・中村文英投手
二塁踏ませず見事な完封
福井商のエース・中村文英(2年)が佐久長聖を2安打完封。2つの四球を含み4度走者を許したが、併殺や牽制、盗塁失敗などで全て1イニング3人ずつで抑え、打者27人での完封劇だった。
「ピッチャーを中心に良く守ったと思います。中村文英はコントロールが安定していて、直球も変化球も良かった。経験もあるので」と安心して見ていられたという米丸友樹監督。1年秋からエースを張る男を絶賛した。
中村文が見せた新骨頂は初回の守り。佐久長聖の1番北澤秋津(1年)に初球をセンター前に運ばれる。
「佐久長聖は足を絡めてくるチーム」と見ていたエースは、北澤の動きに細心の注意を払っていた。
打席は2番濱竜太郎(1年)。1ストライクからの2球目、北澤が動く。盗塁成功!
しかし中村文は「すぐにわかりました」と冷静だった。打席の濱がキャッチャー・中村辰哉(2年)の送球を妨害してアウトになる。当然、走者の北澤は一塁に戻される形になった。
一死一塁となり3番戸塚睦(1年)。
「もう一度走ってくる」と読んでいた中村文。2ボール2ストライクとなった5球目の前、牽制球に北澤が誘い出される。一、二塁間で挟まれてタッチアウト。直後に戸塚を三振に取り、狙い通りの形で守りを終えた。
2回以降に打たれたのは内野安打の一本だけ。力強い直球と、左打者へのナチュラルシュートで佐久長聖打線を翻弄した。
(文・写真=松倉雄太)
(写真:試合シーン39~:佐藤純一)