鳴門vs阿南高専
名将・森脇 稔監督(鳴門)大激怒の「理由」
ベンチ前で選手たちに話をする鳴門・森脇 稔監督
「対戦相手の試合なんか見ないでええ、すぐに帰るぞ!」選手たちに飛ばす語句はポーズではなく、本気で怒っているそれだった。
「練習で本気で追い込んでいないからこうなる。これから坂道を走らせます」怒りの主は鳴門・森脇 稔監督。2007年4月に2度目となる母校監督に就任すると、2010年夏を皮切りに春2度、夏は昨年までの徳島大会5連覇含む6度の甲子園出場。甲子園ではうち春1回・夏2回のベスト8入り。公立校を甲子園強豪に育て上げた手腕は「名将」の称号をつけても一向に差し支えないだろう。
では、なぜその名将は大激怒したのか?理由は阿南高専相手に選手たちが見せた「自信のなさ」にある。
確かに阿南高専ははつらつと闘っていた。旧チームからエースの三星 綜来(2年・右投右打・180センチ60キロ・阿南市立阿南第二中出身)は、長い手足を使って112球5安打完投・自責点も3に抑え、2番・中堅手の喜田 晃礼(2年・右投両打・164センチ60キロ・阿南市立阿南第一中出身)も積極的なスイングで3安打。初回には二塁打と三盗も決めた。
対して、鳴門の得点は押し出し四球2個、押し出し死球1個に失策、二死二・三塁から先発投手8番の西野 知輝(1年・左投左打・173センチ68キロ・鳴門市第一中出身)の中前2点打であげた3回裏の6得点のみ。7回で117球を要した西野。リリーフで2回37球を投げ完封リレーを果たした竹内 勇輝(1年・右投右打・170センチ61キロ・那賀町立相生中出身)と、中村 歩睦(2年・捕手・右投右打・172センチ71キロ・徳島松南<ヤングリーグ>出身)とのバッテリーは終始、慎重すぎるくらいの配球。
また、4番に主将の三浦 光翔(2年・左翼手・右投右打・166センチ75キロ・生光学園中<ヤングリーグ>出身)を据えた打線は、打席に入る際の素振りでは軒並み力強いスイングをしているにもかかわらず、打席では当てにいってしまうバッティングが多かった。こうなると鳴門は昨秋に選手9人の穴吹に初戦敗退、春は準々決勝で正規選手8人の名西に敗退。さらに夏は2回戦で生光学園に4対10で大敗したトラウマを引きずっていると考えざるをえない。
では、その打開策とは?「練習で確固たる自信を付けるしかない」そう指揮官が考えるのも当然である。鳴門の次戦は9月30日(土)アグリあなんスタジアムで14時半から行われる難敵・徳島商戦。ここで鳴門がどんな姿で戦えるのか。その内容は鳴門が今後、強豪であり続けるためにも極めて重要となる。
(レポート=寺下 友徳)
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