試合レポート

【春季東京都大会】東海大菅生が盤石の投手リレーで準々決勝進出!前半投手戦を繰り広げた錦城の健闘光る

2024.04.14


東海大菅生・小島葵 ※写真は過去の取材より

<春季東京都高校野球大会:東海大菅生5-1錦城>◇13日◇4回戦◇スリーボンドスタジアム八王子

【トーナメント表】春季都大会 結果一覧

錦城は2回戦、3回戦を背番号10の左腕、2年生の宮地 晴大投手が完封して勝ち上がってきた。しかし3回戦が終わった後、錦城の郷野 康輔監督は、4回戦は背番号1の右腕、牛久保 佑樹投手(3年)の先発を告げていた。「彼(宮地)だけではないことをみせたい」と郷野監督は言う。

逆に東海大菅生は、「左ピッチャーを想定してきたので、右ピッチャーが出てきて、あれ、という感じでした」と主将の下地 寛大内野手(3年)は言う。

身長182センチの牛久保は、球は速くないが、緩急を使った投球で東海大菅生打線をかわす。「打たれるのは、当たり前と思って投げました」と牛久保。この思い切りの良さは相手チームにとっては厄介であり、東海大菅生打線は凡打を重ねる。錦城の野手も好守で牛久保を支える。

東海大菅生の先発、背番号20の小島 葵投手(3年)もしっかりと錦城打線を抑え、5回を終えて、両チームとも得点が入らない投手戦になった。

均衡が破れたのは6回、東海大菅生の攻撃だった。9番・小島の右前安打、1番・阪野 拓海内野手(3年)の左前安打で1死一、二塁とし、2番・小上防 登生外野手(2年)の中飛で、小島が三塁に進んだ後、阪野の二盗で二、三塁となり、3番・高西 航輝内野手(3年)の右前安打で東海大菅生が2点を先制した。

しかし、7回、錦城は1死一塁から当たっている4番・市川 大敏内野手(3年)が二塁打を放って1点を返した。

ここまで好勝負を繰り広げてきた錦城にとって惜しまれるのは、後半の守備の乱れだ。7回は2死二塁から三塁手の悪送球で1点を失う。

8回は2死一塁から4番・大島 健真内野手(3年)が三塁打を放ち、東海大菅生がさらに1点を追加。大島も暴投で生還し、さらに1点を加えた。

東海大菅生は、8回と9回は左腕の上原 慎之輔投手(2年)が登板。9回に四球の走者を出したものの、2イニングで奪三振4の無安打に抑える、ほぼ完璧な投球で試合を締めて、5対1で東海大菅生が勝利した。

錦城は敗れたものの、健闘が光る試合だった。「9回までできたらいい、という思いでした」と郷野監督は言う。主将の片山 倫内野手(3年)は、「甲子園を目指すチームと夏を前に戦えたのは良かったです」と語る。錦城はこの夏、シードされるが、目標は甲子園ではなく、「神宮で試合をすることです」と片山は言う。つまり夏は試合が神宮球場で行われる準々決勝以上を目指すことになる。練習は自主練習が中心で、選手の自主性を重んじる。シード校になっても、肩ひじを張らずに自然体だ。しかし、この自然体な前向きさがこのチームの強みなのかもしれない。

一方、苦戦した東海大菅生の若林 弘泰監督は、「持っているものは、今までと比べても1、2を争うくらいで、練習試合では打っているのですがね…」と首をひねる。それでも、この試合で投げた小島、上原をはじめ、投手陣は安定しているので、試合そのものは危なげがない。あとは。力が拮抗したチームとどういう試合ができるかだ。その意味では、次の試合である準々決勝の創価戦は、実力をみる上で、重要な一戦になる。

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この記事の執筆者: 大島 裕史

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