試合レポート

【春季東京都大会】攻守にスキなき創価が、小宮の2ランと土居の好投で秋に続き国士舘を7回コールドで下す

2024.04.14


4回二塁打を放つ創価・小宮己輝

<春季東京都高校野球大会:創価7-0国士舘(7回コールド)>◇13日◇4回戦◇スリーボンドスタジアム八王子

【トーナメント表】春季都大会 結果一覧

秋季都大会の再戦となったカード。秋は創価が7回表に13点を入れて、22―11の7回コールドという乱戦を制した。今回も結果としては創価が7回コールドで国士舘を破ったが、両チームとも進歩のあとが感じられる春の戦いであった。

創価の進歩は、秋は不調だった土居 賢士郎投手(3年)の復活、成長だ。2回に安打2本と四球で2死満塁のピンチを迎えたが、国士舘の先発投手で9番打者の泉 勝貴投手(3年)を投ゴロに抑えた。6回も安打1本と2四死球で1死満塁のピンチを迎えたが、6番・落合 伯内野手(3年)を三振、7番・河﨑 雄太郎内野手(3年)を右飛に抑えるなど要所を締め、国士舘に得点を許さない。「土居はいいですよ。全体に落ち着いていて、要所の部分でいいピッチングをしています。森山がいるので、安心して投げられます」と堀内 尊法監督は土居の投球を称える。秋は主戦投手だった森山 秀敏投手(3年)も健在だけに、投手陣は安定している。

創価が先制したのは2回。1死一塁から6番・小宮 己輝外野手(3年)が左翼席に飛び込む2ランを放った。「高めのストレート。打った瞬間、手ごたえがありました」と小宮。しっかり振り切るのが自分のスタイルで「大きく乗せる感じです。(新基準のバットでも)飛距離は変わりません」と語る。この回、さらに四球の走者を出して9番・土居が二塁打を放ち、創価はさらに1点を追加する。

4回、創価は小宮が今度は二塁打を放ち、8番・藤岡 圭太外野手(3年)の中前安打で生還する。5回は1番・大久保 悠輝外野手(3年)の二塁打に、2番・井路端 広明捕手(3年)の右前安打で1点を追加する。

6回は1死一塁から、8番・藤岡がヒット・エンド・ランで右前安打を放ち一、三塁とし、9番・土居のスクイズで1点を追加する。松山商が1986年夏の甲子園大会で準優勝した時のメンバーでもある堀内監督による、松山商の野球を彷彿させる、そつない攻撃で1点を追加した。この回1番・大久保が三塁打を放ち、さらに攻撃を続けたが、国士舘がここは踏ん張った。秋はズルズルと失点を重ねただけに、国士舘としては、ここは成長した点だろう。

秋に続き、7回コールドの7対0で創価が勝利した。それでも秋に比べると、はるかに引き締まった試合であった。国士舘の箕野 豪監督は、秋と同じ相手に負けた悔しさをにじませつつ「いろんな選手が出場したのはこの春の収穫です。でも力のあるチームとどう戦うかは課題です」と語った。秋はエースだった早川 恵陽投手(3年)がこの春は故障で出場できなかった。それでも夏のシード権は確保した。あとは夏までの期間でどう戦力を整えていくか。この試合では安打がなかった3番・片倉 稜大内野手(3年)、4番・小椋 旭人外野手(3年)らの中心打線が攻撃に絡んでくれば、もっと戦える戦力になるはずだ。

勝った創価は、小宮の本塁打のような一発もあれば、機動力を絡ませての得点もできる。投手陣も土居、森山を中心に、質量ともに整っている。それに昨年9月に就任したばかりの堀内監督が、選手とのコミュニケーションを通してチームの一体感も増している。準々決勝は東海大菅生との対戦。夏をにらんだ前哨戦になりそうだ。

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この記事の執筆者: 大島 裕史

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