第20回 漫画家 寺嶋裕二先生2008年09月23日

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何故、野球漫画を描こうと思ったのですか??

ダイヤのA誕生秘話

寺嶋 漫画家を目指してから『ダイヤのA』が出来るまでに、10年くらいあり、その間にいろいろ学んだ結果、意外と俺、何にもないなと思ったんですよ。最後の最後にお前、何が描けるんだって、(自分で)思った時に野球やってましたとしか残っていなかった。もうそれしか残ってないというのが正直なところですね。最後に残ったのが野球だったんですね。

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強豪を描こうと思った理由

寺嶋 とりあえず新天地に単身乗り込む主人公が描きたかったんですよね。野球漫画はこれまでにも、たくさん作品があるし、この設定なら違いを出せるんじゃないかと。そこから野球留学、強豪校とつながっていきました。強豪校で野球をやってなかったので、自分の体験がどこまで通用するか分からなかったけど、お会いしたプロの選手から「分かる」と言われて、そこからは素直に自分を出せるようになりました。

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選手のメンタルについて

【取材こぼれ話】
当時は目の前の練習をこなすのに精一杯でしたからね。野球の本とか全く読まなかったです。読めば、良かったなって思いますけどね(笑)。

沢村選手の話題から話は進み、メンタルについても語ってもらいました。

――沢村はメンタルが強いですよね。

寺嶋 やはり、中学の時にキャプテンだったというのが大きいです。勝ってはいないけど、チームをまとめていた人間はそれなりに精神的には強いなっていうのが僕にはあって、そういう感じになりました。

――他の青道の選手達もメンタルが強いですね。

寺嶋 あれは、ホント僕の憧れですよ。こうあってほしいなという。

――特に高校野球はメンタルから崩れる事がよくあります。

寺嶋 今はホントにメンタルトレーニングも練習の一つになっていますからね。それぐらい大事だと思います。ただ、そう思うのも10年以上たったからです。やっていた当時に、全部求められてもきつかったと思うんですよね。最近お話した監督さんもおしゃっていましたが、「理論とかは教えるけれども今できる事はしっかりやってもらわないと、困る。」と。頭でっかちになって動けなくなってしまう子もいるそうです。逆に情報を制限をしてやらないとパニックになるそうです。

――なるほど、情報を処理できなくなるのですね。

寺嶋 そうですね。そういう意味では僕は選手の目線から漫画を描いているというよりは指導者の目線から漫画を描いていますね。こう選手に教えたい、そして選手がこう応えてくれたら嬉しいんだろうな、というのを漫画にしています。

――なるほど、だから青道は強いんですね。

寺嶋 でもピンチは作りづらい(笑)。ピンチになったら勝手に選手達で解決してしまうので、監督もホントやることない。高校野球は監督次第という事を本当は分かっているんですけど。

――そうですね。

寺嶋 実際は選手のメンタルをどう持っていくのか、これは全部監督にかかっているのかなと思います。要所、要所で喝を入れる。やはり高校生は若いです。未熟な面をどうやって大人がカバーするか。

――特に御幸君とか、冷静に状況判断できますよね。我々も大会を何十試合も見ていて、いわゆる強豪校が負ける時はメンタルから崩れることが多いですよね。こんなはずじゃないという焦りから。

寺嶋 僕が2年の時にベスト4まで行ったんですけど、その時の一回戦が春の準優勝校。僕ら自身も「終わったな」って思ってました。監督も肩を壊したエースを先発に指名して華々しく散ろうと、ある意味、迷いが無かったですね。そしたら肩を壊したエースの遅〜〜い球を打てなくて、向こうが半分自滅してくれる形で勝っちゃったんですよ。だから僕はそういう事も体験としてあるので、気持ちというか、こういう波乱が起きるのは高校野球なら有り得ると思います。試合の後半とかで、「なんで打てないんだろう」という敵の打者の気持ちが分かってくるんですよ。イライラしているなと。こっちは押さえているから、「あれっ??いけるんじゃないの」とドンドン気持ちは盛り上がっています。気持ちが結構勝敗を左右するなというのが自分の中にはあり、それが漫画にも出ていますね。

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プロフィール

寺嶋裕二さん
  • 出身地:香川県
  • 出身校:善通寺第一高校
  • ポジション:高三時はクリーンアップで活躍。
  • H11年読み切り野球漫画「メンバー」が第62回マガジン新人漫画賞にて佳作を受賞。
    マガシンFRESHに掲載されデビュー。
    H14年マガジンSPECIALにてテニス漫画「GIANT STEP」の連載を開始。
    H15年「橋の下のバットマン」とH17年「幻の甲子園」(野球ドキュメント漫画)の読み切り掲載を経て、H18年5月より野球漫画「ダイヤのA」を連載中。
    「ダイヤのA」で第53回(平成19年度小学館漫画賞少年向け部門受賞。
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