A1タイプ打者編
A1タイプの選手は、あらゆる動作を無意識のうちに手足の指先かつ、内側でバランスをとっています。ひざとみぞおちを対角線上で伸ばすように体幹を扱い、いわゆる「クロスタイプ」に属します。プロでいうとイチロー選手、内川聖一選手などがこのタイプです。
打者編でも、それぞれの重要な局面ごとにポイントを整理していきます。
今回も、それぞれの重要な局面ごとにポイントを整理してみましょう。
A1タイプのお手本といえるのが内川聖一選手(福岡ソフトバンクホークス)(イラスト:大谷 恵里子)
構え
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バットは指先から軽く握り、手首をコックさせないように柔軟にして構える。グリップの位置はやや高く、肘がみぞおちの高さにくるようにして肘を締める。
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捕手側の肩と逆側のひざを離す意識でバットを引き、ろっ骨でカーブを描くように曲線的にテークバックしていく。右手側に引かれるようなイメージを持つといい。
インパクト
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曲線的な動きの結果、みぞおちが前側のひざに乗り込むような形で体重移動をし、バットを出していく。インパクトは身体を沈ませず、少し伸び上がるようなイメージで行う。
[page_break:フォロースルー]フォロースルー
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アッパースイングのような軌道を通り、肩から両腕全体を振り抜くようにしてバットを返す。後ろ側のひざが前方に巻き取られるようになり、最後は前側の足でしっかり立つ
[page_break:A1タイプのお手本、内川聖一選手(福岡ソフトバンクホークス)]A1タイプのお手本、内川聖一選手(福岡ソフトバンクホークス)から学べ!
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A1タイプの象徴的な選手といえばイチロー選手ともいえますが、ここでは右の好打者、ソフトバンクの内川選手を取り上げたいと思います。
どの局面を見ても見事にA1タイプの動きに当てはまっていますが、特筆すべきは彼の胸郭(ろっ骨部分)の使い方にあります。以前の連載のなかでも触れましたが、内川選手は胸郭の使い方が抜群に上手だといえます。柔軟かつ力強く胸郭が動くため、どんな投手が相手でも自分の型のなかで打つことができているのです。
この柔軟性を、うまくA1タイプのクロス型にあてはめています。テークバックで曲線的に胸郭を使い、みぞおちとひざを揃える。その後並進運動を伴って、前側に軸をつくってバットを出していく。ここまで一切無駄な動きはありません。腕など末端の力感を全く感じさせない、まさに理想的なフォームだといえるでしょう。
曲線的かつダイナミックな動きを行うA1タイプですが、内川選手のように体幹部をうまく使うことで、余計な動きを排除することができるはずです。