21世紀枠 各地区候補 紹介!金沢商業(石川)
21世紀枠 各地区候補 紹介!金沢商業(石川)
第87回選抜高校野球大会の21世紀枠の各地区候補9校が発表された。高校野球ドットコムでは、各候補校の推薦理由と地区選考状況を1校ずつ紹介をしていく。第3回は北信越地区の金沢商を紹介!
北信越地区:金沢商業(石川・県立)
・高校別データ:金沢商
・学校創立:1900年 生徒数:830人(男子196,女子634)
・野球部創部:1905年 部員数:33人(女子マネージャー5名を除く)
・甲子園出場回数:夏2回(1923年 9回大会、1966年 48回大会)
・秋季石川大会優勝、北信越大会1回戦
【推薦理由】
明治33年(1900年)金沢市立金沢商業学校として開校、今年で創立114周年を迎える伝統ある商業専門の基幹校である。
野球部は明治38年(1905年)創部と古い歴史があり、大正12年(1923年)に北陸大会を勝ち抜いて石川県勢で初めて選手権に出場、昭和41年(1966年)夏の選手権で2回目の出場を果たした。金沢市内の中心部に位置し、周辺には全国的にも有名な強豪私立高校が存在する中で、現在3年生も含めて61名の部員が在籍している。部員の中には、郊外から電車を利用して長時間かけて通学する生徒も多い。
また、地域貢献活動、ボランティア活動に積極的参加しており、学校周辺地区の清掃活動や冬季における高齢者生体の除雪作業も伝統になっている。遠征先での周辺清掃活動、校内でのトイレ清掃活動なども自主的に行い、美化意識や気づく力を養っている。近年では、冬季休業期間中に、郵便局にてアルバイト(ゆうメイト)を部活動の一環として行い、毎年感謝状が贈られている。実業高校生として勤労体験をすることで働く実践力を養うほか、自ら働いて得た給与を遠征費にあてることで達成感と向上心の育成へと結びつけている。
全校生徒数830人に対し、男子生徒が196名と2割程度で、行事等では男子のリーダーシップが求められる組織であるため、全クラスにおいて、ホーム委員と体育委員を野球部員が務めており、各種生徒会行事の運営も野球部員がリーダーシップを執って行っている。特に商業の実践教育の一環として大正3年(1914年)に始まった「金商バザー」を継承し、今年で31回目を迎えた「金商デバート」では、地元の商店、企業、周辺地域の住民と協力し、校舎全体を一つのデパートと見立てて、全校生徒が参加をして販売実習を行う、2日間で約1万5千人の来場がある中で、野球部員が各店舗において店長を務めるほか、前日の店舗ごとの間仕切りや各店舗への配線といった準備作業を夜遅くまでかけて野球部が行うのが伝統になっている。
また、物品管理である庶務課や駐車場整理の車両課、デパート中の安全な運営を目指した警備課など、裏方の運営委員や各課課長も毎年野球部員が担当し、地元商店街の再生と周辺地域の活性化につながる役割を果たしている、
平成22年(2010年)に創立110周年を迎え新校舎の建設工事が開始され、グラウンドが使用不可となり、他校グラウンドや球場を転々としながら練習をしていく中で、近隣の大学跡地が代替施設として使用可能となった。長期間未使用だった荒れ地を選手、指導者、保護者、OBが協力してグラウンド整備を行い、練習のできる環境を整備してきた。
この4年間はこうした状況で練習に取り組んできたが、今年度からは大学跡地の解体工事が本格化され、グラウンド内外の使用が一部制限された。さらに、秋季県大会中には新校舎への引っ越し作業が行われる中、大会に臨んだ、準々決勝では金沢市立工に0対4のビハインドから追い上げ、9回二死から同点とし、延長10回にサヨナラ勝ち。準決勝では強豪私立・石川金沢を相手に4対0の完封勝利。決勝では夏の甲子園メンバーが半数残る星稜を相手に先制し、中盤に逆転を許す劣勢の展開となるも、終盤に打線が繋がって逆転し見事優勝を成し遂げた。最近5年間の県大会では優勝1回、準優勝1回、ベスト4が1回、ベスト8が2回と安定した成績を残している、
【推薦理由】
各県推薦校の推薦理由と特色を、各県理事長・専務理事からの説明が行われた後、審議を行った。慎重に議論を重ねて行く中で、5校から北信越地区大会に出場した金沢商(石川)と小諸商(長野)の2校に絞って比較検討を行った。共に県立の商業専門高校であることや、地区大会の試合結果から甲乙つけ難い状況であった。しかし、ここ4年間学校のグラウンドが使用できず、代替施設を手作りで整備して練習に取り組んできた困難な状況を克服して県大会制覇したことや、近年の試合成績が良好であった点が評価され、金沢商が北信越地区の候補校として推薦することが満場一致で決まった。