第90回センバツ逸材投手【西日本編】ガイドブック
左から市川悠太(明徳義塾)、柿木蓮(大阪桐蔭)、川原陸(創成館)
第90回記念選抜大会の出場36校が決まった。今年はどんな選手がいるのか?東日本、西日本と分けて紹介していきたい。第2回は東日本投手編(北海道・東北・関東・東京・東海・北信越)に続き、西日本(近畿・中国・四国・九州)の逸材を紹介したい。
■西日本 注目投手リスト
・柿木蓮(大阪桐蔭)
・横川凱(大阪桐蔭)
・平田 龍輝(智辯和歌山)
・川畑大地(乙訓)
・有本雄大(おかやま山陽)
・市川悠太(明徳義塾)
・土居 豪人(松山聖陵)
・川原 陸(創成館)
・伊藤 大和(創成館)
・七俵 陸(創成館)
・石田 旭昇(東筑)
西日本で最も注目を集めるのは昨年の選抜優勝の大阪桐蔭。昨春、優勝を経験した選手たちが多く残る。
昨年の選抜で、登板経験があるエースの柿木蓮は最速148キロの速球で勝負する本格派。秋は近畿大会決勝で完封するなど優勝に大きく貢献するも、秋のピッチングのままでは勝てないと感じ、冬はトレーニングに専念してきた。センバツでは自分の持ち味である力強いストレートを軸としたピッチングを見せたいと意気込む。
そして柿木とともに注目されている横川凱は、190センチから最速144キロを投げ込む大型左腕。一時期、不振に陥ったが、選抜出場がかかった近畿大会準々決勝の近大付戦で好投を見せた。横川も強いストレートを投げることにこだわっている。この選抜では、これまでの横川にはない姿を見せることができるか。
智辯和歌山のエース・平田 龍輝にも注目。184センチの長身から144キロの速球を投げ込む大型右腕。昨秋は球速を抑え、制球力重視のピッチングで近畿4強進出に貢献した。この春は、制球力に加え、昨夏のような140キロ連発を投げ込むピッチングをみせたい。
初出場の乙訓はエース・川畑大地、左腕・富山大樹の二枚看板に注目だ。川畑は173センチと決して大きくないが、体全体を使った投球フォームから常時140キロ台の速球は回転数が高く、スライダー、チェンジアップ、カーブと変化球の精度も高い。ピンチでも動じない精神力の強さも魅力だ。富山は、180センチの長身を生かした投球フォームから、130キロ後半の速球を投げ込む。直球は威力があり、マウンド度胸も強い。秋から2人を視察するスカウトの姿も見られ、この選抜では秋より成長した姿を見せることができるか、注目される。
初出場のおかやま山陽は、最速142キロ右腕・有本雄大に注目。神宮大会の登板経験から直球を磨きなおすことを決意。自身が掲げたテーマをクリアし、甲子園初勝利を狙う。
神宮大会優勝の明徳義塾のエース・市川悠太は、右サイドから常時140キロ台のストレートは、大学生投手を見ているかのような切れ味があり、変化球は横滑りするスライダー、スプリットを投げ込む。試合状況、相手打者の力量を読んだ投球術も高校生離れしている。「今年は春夏連覇とドラフト1位を目指す」と公言した市川は格の違いを見せることができるか。
190センチ右腕・土居 豪人(松山聖陵)も、この春、甲子園に乗り込む。最速144キロの直球、スライダー、チェンジアップ、フォークを投げ込み、四国4強入り。「アドゥワ(誠・現:広島東洋カープ)と同じ手順で基本から教えている」と、荷川取 秀明監督いわく「2年秋時点でのフォームの完成度はアドゥワより上」という評価の土居。全国デビューする今年の選抜でブレイクを果たしたい。
神宮大会準優勝の創成館は3人の好投手に注目。エース・川原陸は184センチの長身から140キロ前後の速球とチェンジアップをコンビネーションにする大型左腕。伊藤 大和は、投げるたびにリリースする位置が変わる投手で、オーバーで140キロ、サイドで130キロ後半を計測。スライダー、シンカーを投げ込み、神宮大会では安定したピッチングを披露した。神宮大会で登板した七俵 陸は181センチの長身から、130キロ後半の速球を投げ込む投手で、ポテンシャルは川原とひけをとらない逸材。この3人が順調に成長を示せば、創成館の初勝利。そして上位進出の期待も高まる。
二季連続出場の東筑のエース・石田 旭昇は技巧派右サイド。速球投手に注目が集まりやすいが、石田は全国レベルの投球術の上手さを持っている。昨夏のマウンド経験も武器にしたいところだ。
▼90回大会センバツ注目選手シリーズ
東日本投手編(北海道・東北・関東・東京・東海・北信越)
西日本投手編(近畿・中国・四国・九州)
東日本野手編(北海道・東北・関東・東京・東海・北信越)
西日本野手編(北海道・東北・関東・東京・東海・北信越)