Column

監督不在でも二季連続決勝へ!激戦区・大阪でも圧倒的な存在感を放ったPL学園ナイン

2016.07.11


PL学園は激戦区・大阪の地でも圧倒的な存在感を誇る

全国屈指の強豪校。誇り高く、前へ

1956年から創部したPL学園、大阪府内での公式戦の戦績は下記の通りだ。
秋:優勝14回 準優勝10回 ベスト4以上35回
春:優勝12回 準優勝8回  ベスト4以上30回
夏:優勝17回 準優勝8回  ベスト4以上31回

 ざっと挙げた数字を見てわかる通り、PL学園は大阪大会でももちろん異常といってもいい強さを誇っている。夏の大会で初めて4強入りした1961年から2010年まで、ベスト4入りを逃がしたのは1987年の秋~1989年の夏までの2学年、そして1990年秋から1991年夏の1学年、計3代のみ。それも、1990年秋にはベスト8まで行っている。
平成27年6月現在で高野連加盟190校。強豪校が数多く存在し、その上シードは無く、強豪校同士の戦いが起こることも珍しくない。昨年、初戦で大阪桐蔭vs履正社の対決が実現したように、全国大会を勝ち抜くより難しいとすら言われる大阪府内でこの実績なのである。

 21世紀に入り、不祥事などがあり低迷期に入ったと言われているが、その中でも結果は残している。
2001年の夏に下された出場停止処分明けの2002年、春季大会でいきなり優勝。それを含め優勝8回、準優勝7回、甲子園にも5回出場(春2回、夏3回)している。

 新入部員を募集せず、監督も野球経験のない先生方という環境の中、2014年の夏と決勝進出を果たしたことは記憶に新しい。その夏は現在、東洋大で活躍している中川圭太がプレーヤーとしてチームを引っ張り、宇佐美 秀真(現・関西国際大)がサインなどを出し、監督代行としてチームを引っ張った。そして秋は、サイン係を出していた奥野 泰成選手が決勝戦で本塁打。いわゆる「代打・俺」を実行し、さらに最高の結果を残した瞬間であった。昨年の夏も、準々決勝進出を果たしている。
「一時代を築いた全国屈指の強豪校」という看板、「応援」という名のプレッシャー。そういった数々の重圧を跳ね除け前に進むPL学園現役球児たちの強さは並ではない。この野球部を止めてしまうのは、あまりにもったいないという感情を起こさせる。どうにかならないものかと寂しい思いを持つファンも多い。

 だが、いつでも顔を上げてプレーを続け、最後の夏に挑む当の彼らには周囲が想像し、あるいはどこかで期待する悲壮感はない。自分達はPL学園野球部員だという誇りがあるだけだ。

このページのトップへ

この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

関連記事

応援メッセージを投稿

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

RANKING

人気記事

2024.04.23

【大学野球部24年度新入生一覧】甲子園のスター、ドラフト候補、プロを選ばなかった高校日本代表はどの大学に入った?

2024.04.23

【全国各地区春季大会組み合わせ一覧】新戦力が台頭するチームはどこだ!? 新基準バットの及ぼす影響は?

2024.04.23

【春季埼玉県大会】地区大会屈指の好カードは川口市立が浦和実を8回逆転で下し県大会へ!

2024.04.23

「無欲すぎて就職希望だったところを……」紅林弘太郎(オリックス)、恩師が明かす高校3年間

2024.04.23

【熊本】城南地区では小川工が優勝、城北地区では有明と城北が決勝へ<各地区春季大会>

2024.04.23

【大学野球部24年度新入生一覧】甲子園のスター、ドラフト候補、プロを選ばなかった高校日本代表はどの大学に入った?

2024.04.23

【全国各地区春季大会組み合わせ一覧】新戦力が台頭するチームはどこだ!? 新基準バットの及ぼす影響は?

2024.04.23

【春季埼玉県大会】地区大会屈指の好カードは川口市立が浦和実を8回逆転で下し県大会へ!

2024.04.21

【神奈川春季大会】慶応義塾が快勝でベスト8入り! 敗れた川崎総合科学も創部初シード権獲得で実りのある春に

2024.04.22

【和歌山】智辯和歌山、田辺、和歌山東がベスト8入り<春季大会>

2024.04.23

【大学野球部24年度新入生一覧】甲子園のスター、ドラフト候補、プロを選ばなかった高校日本代表はどの大学に入った?

2024.04.05

早稲田大にU-18日本代表3名が加入! 仙台育英、日大三、山梨学院、早大学院の主力や元プロの子息も!

2024.04.23

【全国各地区春季大会組み合わせ一覧】新戦力が台頭するチームはどこだ!? 新基準バットの及ぼす影響は?

2024.04.02

【東京】日大三、堀越がコールド発進、駒大高はサヨナラ勝ち<春季都大会>

2024.04.12

東大野球部の新入生に甲子園ベスト4左腕! 早実出身内野手は司法試験予備試験合格の秀才!