打率3割超えの巧打者擁する宮城の新進気鋭・仙台向山(宮城)
仙台向山のスタメン・ベンチ入り情報
教室からは仙台市内を見渡すことのできる仙台向山は、創立してまだ50年も満たない新しい学校である。理数科・普通科の2つが設置されており、1学年200人の規模になっていることも特徴である。
そんな仙台向山を支えるのは、主将の金野椋太とエース・吉川大晴の2人である。金野主将は1番・サードとして秋は出場し、新チームからの通算成績は68打数24安打で打率.353をマーク。チーム内で最多安打を記録するし、首位打者としてチームを牽引した。
高いミート力とシュアなバッティングを活かして1年生の秋からセカンドのレギュラーを奪取。新チームでも打線を引っ張るリードオフマンとしての活躍が今後も期待される。
仙台向山の練習模様
もう1人のエース・吉川は身長170センチ、85キロとがっちりとした体格からキレのあるボールを投げ込む右腕。どの試合でも常に力投を見せ、チームに流れを引き寄せる投球を見せてきた。
鈴木監督のなかでは「5点以下に抑えて試合を作る」ことに主眼を置いて秋の大会まで準備を重ねてきた。その中心的な存在として吉川がいるのは間違いない。金野主将同様に春以降のピッチングに期待がかかる。
仙台向山の練習模様
■環境を活かしたトレーニング
この2人に加えて、秋は4番に座った長谷川健を筆頭に、本柳陽太、高木和朋彦の台頭も注目される仙台向山は現在22名で活動している。学年の垣根を超えた雰囲気の良さも魅力だが、冬場ならではの練習が存在する。それがメディシンボールランである。
体幹の強化と走力を向上させるために、5キロのメディシンボールを抱えたままベースランニング。また学校内にある坂道で、メディシンボールを抱えたままダッシュするというメニュー。
簡単なメニューだが、秋の大会2回戦・東北との一戦で「完全に力負けだった」という反省から、トレーニングやスイングを中心に取り組む仙台向山にとっては大事な練習の1つである。
他にも階段を使って下半身強化するなど、少し小高い場所に学校がある仙台向山の立地を存分に活かした練習で冬場を過ごしている。
仙台向山の練習模様
■チャレンジャーで上位進出を
ただ秋の大会ではいい思い出もある。初の公式戦となった1回戦の気仙沼戦ではスクイズで決勝点を挙げてサヨナラ勝ちを収めることが出来た。「大会前までバントに力を入れて練習をやってきただけに、成果を出すことができて嬉しかった」と振り返る。
仙台向山にとっての最高成績は県大会ベスト8。その壁を超えたベスト4を目標にチームはスタートしたが、それに挑むチャンスはあと2回。「挑戦者(チャレンジャー)」というスローガンを掲げて現在も鍛錬を続ける仙台向山。歴代最高の成績を残すべく、険しい山に向かっていく。
(文=田中 裕毅)
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