目指すは高校通算50本塁打!名将・比嘉 公也も認めるすば抜けたポテンシャル 水谷留佳(沖縄尚学)
「持っているものは沖縄で一番でないですか」
比嘉 公也(ひが こうや)監督の言葉である。
その言葉が指す選手こそ、キャプテンとして沖縄尚学を引っ張る水谷留佳(みずたに るか)である。
持ち前の打力に磨きをかける
バットを持ち構える水谷留佳(沖縄尚学)
高校通算20本塁打の水谷の魅力はなんと言っても打力だ。「自分の一番の魅力はバッティングだと思います。」と語るように、本人も自分の長所を十分に自覚している。
ただ、水谷は自分の現在地に満足していない、「冬場でいかにバッティングを磨き夏に繋げられるか」という課題に向け練習に取り組んでいる。
特に練習量については、絶対の自信を持っている。
「秋の大会で負けてから打撃向上というのを一番の目的として行ってきています。10月、11月、12月はバットを振り込むことを中心にやってきたので、本当に振り込むという点においてはどこのチームよりも行ってきてると思います」
「守備をやらなくてもバッティングだけは練習するという日もありました。本当に振り込んできました」
会話の端々から水谷が、自分の課題を理解して練習に取り組んでいるのがよく分かる。
また、水谷の凄さは、量だけでなく練習内容を理解して取り組んでいる点も挙げられる。
「ハーフバッティングで、緩いボールだからと1、2の3で振るのでなく、しっかりとタメを作るというのは意識をしてやっています」
このようなコメントからも、水谷が課題を把握してバッティング練習に取り組んでいることがよく分かる。この冬を乗り越えた先には、水谷個人の目標でもある高校通算50本塁打への土台が出来ているのは違いない。
水谷のすば抜けたポテンシャル
笑顔の水谷留佳(沖縄尚学)
ここまで、水谷の打力という点に注目してきたが、比嘉監督が語る水谷の魅力は、「身体の強さ」だ。練習をやり込める体力や身体の強さは、沖縄尚学歴代選手の中でもトップレベルと語ってくれた。
「身体が強い」ということは、厳しい練習にも耐えられ、その後の疲労も溜まりにくい身体といえる。つまり、すべての動きの土台となる、「基礎体力の高さ」、「体幹の強さ」そして「身体の柔らかさ」がずば抜けているのである。
水谷の打力を支えているのは、歴代の沖縄尚学プレーヤーの中でもトップレベルのしっかりとした土台である。土台が安定ている選手は、その上にさらなる成長を積み重ねていくことができる。
そう考えると、水谷の魅力は現在の打力もさることながら、将来のポテンシャルの高さということがよく分かる。憧れの選手は筒香嘉智(DeNA)と語ってくれた水谷。水谷のポテンシャルを考えると、いつか筒香のように日本を代表する打者になるのでないかという期待を感じずにはいられない。
SKILL(現在の技術)だけでなくWILL(将来性)を感じさせる水谷の今後の成長曲線から目が話せない。
編集後記
2019年の目標として「チームとして最後の夏なので[stadium]甲子園[/stadium]に出て終わりたいです。」と話してくれた水谷。「自分の姿がチームの姿だと思っているので、何をやるにも積極的に自分から動いて行こうと思っています」と個人だけでなくチームを引っ張る意識も話してくれた。個人のポテンシャルだけでなくリーダーシップにも期待したい。
文=田中 実