勝ちたい気持ちが少しだけ強かった城西大城西が競り勝ち

 ともに、この春はブロック予選で敗退して、本大会に進出できず悔しい思いをした両校である。とはいえ、立教池袋朋優学院城西大城西駿台学園といずれも中堅以上の力を持つ私学が相手だった。

 城西大城西はかつて、東京大会が東西二校となった最初の年の1974年(第56回大会)と5年後の79年夏には甲子園出場も果たしている(当時は城西)。古豪という位置付けになるのかもしれないが、この春、再建を目指して埼玉県で富士見を関東大会に導くなどの実績のある山崎警監督を招聘した。川越商(現市立川越)→神奈川大→西濃運輸という球歴の山崎監督だが、初の東京都でどんな采配を揮うのかも注目された。

 ふじみ野から異動して2年間は野球の指導現場を離れていた山崎監督。「(慣れない東京での公式戦ということもあって)自分でも、ちょっと戸惑いもあったかもしれませんが、こういう場を与えていただけたことには感謝したい」という思いだった。

 4月に就任して選手たちと顔合わせをした時に、「勝ちたいんです」という選手たちの思いを強く受け止めた。「それじゃあ、そう言う練習をやろう」と、強豪校に練習試合を依頼して20点以上も失点したこともあったという。それでも、6月あたりには「負けても、何とか野球のスコアになってきた」ということで、選手たちも何をどうするのがいいのかということを身をもって感じ始めたという。トレーナーとも新たに契約して、体力強化、コンディション作りにも努めてきた。そうしたことの積み重ねがあって、ニュー城西大城西は山崎監督の下、好スタートを切った。

 1点を負う城西大城西は5回、1番からの好打順で保谷君が内野安打で出ると、しっかりバントで進めて、牛山君が中越三塁打で同点とする。さらに、四球を挟んで5番の北川徹君が中前打して逆転。そして、このリードを眞田君が辛くも守って逃げ切ったという形になった。

 先制したのは城西大城西で2回、北川徹君が左中間へ二塁打すると、内野ゴロで三塁へ進み、茂田君の三塁線を破る二塁打で帰した。しかし、立教池袋も反撃して、3回一死から1番大門君が中前打すると、続く藤本君が右中間を破って三塁打として同点。さらに、古澤君の当たりはフラフラと上がって右翼手手前に落ちてそれがそれていき、二塁打となって一旦は立教池袋がひっくり返した。なおも、一死二塁だったが、ここからは眞田君が踏ん張った。

 このあたりから茂田君が相手打者を見て配球を変えていった好リードも大きかった。3回までは5安打されていたが、4回以降の6イニングで2安打しか許さなかったというところにもそれは表れている。

 山崎監督は、そんな茂田君のリードを勝因に挙げていた。また、攻撃に関しても、「前の塁に行こうということを意識して、二死までならばしっかりと送って、二死になったらアウトOK」という仕掛けもしていた。そして、東京での公式戦初勝利となったということに関しては、「まずは、ホッとしています」と安堵の表情を浮かべつつも、「東京都の高校野球に新しい風を吹かせたい」という意気込みも示していた。

 後半、1点差を詰め切れなかった立教池袋。古賀賢之監督は、「ある程度チャンスはあったのですけれども、そこで一本が出せるかどうかというところの差になってしまいました。要は、力の差。そこがウチの弱さということなんでしょう」と、ガックリしていた。それでも、7回からリリーフして好投した1年生の吉川君などが新チームに残っていくことで、「秋に向けて細々とながら、頑張っていきます」と、気持ちを切り替えていた。

 

(文=手束 仁

■開催期間:2019年7月7~7月27日(予定)
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