岩倉、苦しみながらも完封リレーで3年ぶりの初戦突破

 この日は、神宮球場では、プロ野球の公式戦が組まれているので、東京都大会は1試合のみとなっている。従って、朝8時30分プレーボールとなった。

 東洋は全部員で11人という小世帯。水道橋駅からすぐのところにあり、男子バレーボールでは全国的な強豪校として知られている。岩倉は前身が鉄道学校で、上野駅にすぐ前に校舎があるが、野球部のグラウンドは西東京市の武蔵境駅と西武新宿線田無駅の間にあり、野球部の寮も併設されている。

 東洋は羽田君、岩倉は左の背番号10の櫛田君が先発。初回こそ、東洋は先頭の森川君がいきなり二塁打、岩倉も二死から3四球で満塁としたが、いずれも無得点。2回以降は試合は淡々とした投手戦となって、スコアボードには0が並んだ。そして、岩倉は5回からはエースナンバーをつけた、プロのスカウトからの評価も受けている宮里君がマウンドに立った。

 岩倉の豊田浩之監督は「大事な初戦でもあり、本来は宮里で行きたかったんだけれども、6月末に手首を痛めたこともあってあまり投球練習が出来ていない状態だったので、少し様子を見た」ということだったが、大丈夫そうなので5回から行かせたということだった。宮里君は力むことなく、5回は3人で抑える。6回も3者三振と調子のよさを示した。そして、守りから攻撃のリズムが作れた岩倉はその裏、先頭の4番安部君が二塁内野安打で出ると、バントに捕逸などで二死三塁とする。そして、7番荒井君が左中間二塁打して先制点が入る。さらに、途中出場していた永田君も左翼線へ二塁打して2点目。

 結局、この2点を宮里君が守って岩倉が逃げ切った。岩倉は、毎年チーム力はあるといわれており、昨秋も東京都大会ベスト8にまで進出している。しかし、ここの2年夏の大会は初戦敗退が続いている。豊田監督もそのことを気にしていた。

 「やっぱり、この代の子たちは夏に勝てていませんから、そのことを意識して、こっちが思っている以上に硬くなっていたようですね。打線も打てなかったというよりも、(バットを)振れていませんでした。だけど、これで一つ突破したので、楽に戦えると思います」

 苦しみながらも、3年ぶりに夏の初戦突破したことを安堵していた。そして、何はともあれ櫛田君と宮里君での完封リレーである。いい勝ち方であることは確かだ。宮里君は5イニングを1四球のみで無安打に抑えるナイスピチングだった。

 初回と3回、4回と前半は三塁まで3度走者を進めて、どちらかというと前半は押し気味に試合を進められた東洋。あと一本が出なかったのだが、決して恵まれている環境ではない中で、大きな守りの崩れもなく、中堅手の岡東君など、守備範囲も広く好プレーも見られた。ベンチからも、よく声が出ており、11人の力を結集した大健闘だった。

  

文=手束 仁

2019年 第101回全国高等学校野球選手権大会東東京大会
■開催期間:2019年7月7~7月27日(予定)
■組み合わせ表【2019年 第101回全国高等学校野球選手権大会東東京大会】
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