死闘を呼び込んだ練馬の粘りと集中力 そして意地を見せた佼成学園

 シード校の意地を見せた佼成学園と、失うものはないと下剋上を掲げた都立練馬の一戦は死力を尽くした素晴らしい試合となった。

 まず接戦を呼び込んだのは両チームの先発だ。佼成学園の先発・桐生 昂汰(3年)は175センチ72キロの技巧派右腕。左腕のグラブを高く掲げた動きから真っ向から振り下ろすフォームから、常時125キロ~120キロ後半のストレート、スライダー、カーブ、チェンジアップを両サイドや低めに集める。今年の佼成学園は投手陣が豊富で、桐生以上の速球を投げられる投手の方が多い。それでも桐生が先発できる理由は、安定感の高さと投球術の巧さだろう。アウトを取るためにはどうすればいいか、しっかりと追求できる投手だった。

先制したのは都立練馬。3回表、四球、野選で無死一、二塁のチャンスを作り、9番浅見の犠打で一死二、三塁。1番田中塁がセカンドゴロを打ち、都立練馬が1点先制する。

 この1点で状態を上げたのが、都立練馬の先発・浅見 知也(3年)である。浅見はインステップ気味に踏み出してから、投げ込む技巧派左腕。ストレートのスピードは120キロ~125キロ前後と決して速くないが、内外角に低めに集め、変化球が打ちにくいコースに集まる。まさに打ちにくい投手。佼成学園打線は見事に浅見の投球にはまり、初回から走者を作るも、4回まで残塁8と、なかなか1点を奪えずにいた。浅見は、マウンド上でも落ち着きがあり、自分の間合いで投げようとする姿勢が見えた。ここで佼成学園に対して受け身の姿勢だったら、違った結果になっていたかもしれない。自分のペースで投げたことが快投につながった。