濱田 達郎選手 (愛工大名電)

濱田 達郎

球歴:愛工大名電

都道府県:愛知

ポジション:投手

投打:左 / 左

身長:181.0 cm

体重:88.0 kg

学年:卒業

寸評

 今年の高校生左腕を代表する左腕。今年のドラフト候補生を相対的に見て、致命的な故障がない限り、今年の24 人の中に入ると評価していた濱田 達郎。ただ選抜では調整失敗による球速不足、夏でも調子が上がらず、選手権に出場したものの、初戦敗退に終わった。それでも中日ドラゴンズは彼の潜在能力の高さを評価し、2位で指名した。中日は彼を再生させることができるか。 (投球内容) ストレート 146キロ 常時135キロ~140キロ スライダー 125キロ前後 カーブ 110キロ前後  最後まで直球の勢いは戻らなかった。140キロ前後を計測していても、神宮大会で見せた捕手・中村 雄太朗のミットを押し出すようなストレートは見られなかった。だが愛知大会決勝の11回裏に最速146キロを計測したストレートは素晴らしかった。己のポテンシャルをすべて引きだした熱投はあれが初めてではないだろうか。いつも淡々とした表情で投げ込んで、打たれても、感情の起伏が見られない浜田にはなかった熱い投球であった。この夏で、濱田らしいボールが来ていると思ったのは延長11回裏のみだ。それぐらい彼の状態は悪かった。  変化球はスライダー、カーブ。打者の手元で、鋭く曲がっていたスライダーのキレが鈍くなってしまい、空振りを奪うことができなくなっていた。良かったのはこれもマックスの力を入れた延長11回。この時はスライダーのキレ、カーブのキレも良く、これぐらい腕が振れていれば、もっと内容は違ったものになっていたかもしれない。  コーナーへ投げ分けていて、140キロ前後出ているので、打者を打ち取ることは出来ているが、ここぞと言う時のストレートの勢い、変化球のキレが甘い。決め手となるボールがないからヒットを打たれたり、見極められて四球を出す。神宮大会が10だとしたら、夏は3,4ぐらいの出来と言っていいぐらい苦しんでいた。 (クイックタイム・フィールディング)  クイックは1.4秒~1.6秒とそれほど早くないが、非常に牽制が上手い。走者をしっかりと観察して、間髪いれずに走者を刺す牽制技術は素晴らしい、簡単には走らせないものがある。ただフィールディングはもっさりとしていてにぶい。フィールディングは徹底的に鍛えてほしい。 (投球フォーム)  140キロを計時していても、投球フォームを見る限り、神宮大会と比べるとだいぶ悪かった。本人も大会までになんとか間に合わせなければならないという思いが強かったのだろう。ノーワインドアップから始動し、右足を胸の近くまで大きく引きあげていきながら、捻りを入れる。  左足はしっかりと体重を乗せて立つことが出来ている。右足を二塁方向へ送り込んでいきながら、重心を下げていき、右足を前で送り込んでインステップ気味に着地する。ただ三塁側へ推進しているからか、やや右ひざの開きが早くなっている。浜田が神宮大会と比べて一番変わったのはトップ時に肘が上がらなくなったことだ。神宮大会では回旋をしていき、しっかりと肘が上がっていた。ただ夏では肘が肩よりも下がった状態になってしまい、リリースする時にさらに肘の下がりが顕著になり、押し出すようなリリースになっている。彼はその後、肩を痛めていたというが、この投げ方をしていたら、肩に負担をかけてしまうのは当然だ。  AAA選手権では左肩に不安があったようで、さらに腕が下がり、サイドスロー気味の腕の振りとなっていた。フォームを見るととても危険で、1年目前半から二軍のローテーションとして投げるのは難しい。しっかりと体力、フォームを固めて、100パーセントの出来となったところでデビューさせるべきだろう。中日は段階的にステップアップしてからデビューさせるチーム。吉見、伊藤準、小熊、大野の4人もそうだった。神宮大会時のフォームにまで戻すことが最初の課題である。
更新日時:2012.12.01

まとめ・今後のプロ生活では

 神宮大会の投球を見て、しっかりとステップアップすることが出来れば、高卒1年目の後半から一軍デビュー、3年目から一軍ローテーションも担える可能性を持った投手として高い評価をしていた。ただ選抜、夏の大会の投球を見ると、そんな青写真を描くのも難しくなってきた。  それでも中日が2位で指名したのは彼を再生出来る自信があるからだろう。中日ドラゴンズは吉見、伊藤準、小熊、大野とアマチュア時代に肩、ひじに不安があった逸材を再生させている。大野に関しては投げられる状態でも無理をさせずにしっかりと実戦で通用する状態にまで仕込んでからデビューさせたように投手の再生力は信頼できるものがある。中日は若年層の若手左腕は薄いだけになんとしてでも獲るべき年だっただけに彼を中日のエースに育て上げるつもりだろう。最近のドラゴンズの指名された高卒投手を見るとエース候補は右投手が中心で、左のエース候補が少なかった。最近指名された左投手でも、別格のポテンシャルを秘めており、待望の左のエース候補だろう。  1年目はじっくりとプロで通用する土台を築きあげ、2年目以降から一軍デビューし、いずれはドラゴンズの左のエースとして活躍を見せることを期待したい。
更新日時:2012.12.01

1 Comment

  1. くり

    2024-03-18 at 9:36 AM

    選抜頑張れ!!!!!!!

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