濱田 達郎選手 (愛工大名電)

寸評

愛工大名電期待の2年生左腕。高校2年生とは思えないほどの堂々たる体格からマックス140キロを超える速球を投げる。恐らく来年の愛知県を代表する左腕に成り得る存在になるだろうと思い、愛工大名電グラウンドまで足を運んだ。私が観戦した富田戦(2010年03月23日)ではまだ抑え気味な印象を受けたが、エンジンの大きさは並みの高校生ではないことを改めて実感できた。 左オーバーから投げる直球は常時120キロ後半～134キロを計測。ウエートが乗った直球には威力があり、夏頃には140キロ台に到達してもおかしくないエンジンは兼ね備えている。変化球はカーブ、スライダー。キレが良いのはスライダーで、横滑りするスライダーが低めにビシッと決まる。この試合では序盤こそ高めに浮く傾向が見られたものの、尻上がりに調子を上げていき、ストレートは右打者には外角、あるいはクロスファイヤー、左打者にはアウトローにズバっと決める原点回帰で打者を打たせて取ることができていた。大型左腕だが、ランナーを置いてからも淡々と自分の投球が出来ており、余裕のある投球。これが上のレベルでも続けることができれば頼もしい。 投球以外の技術の目をむけていくとクイックは1.3秒~1.4秒前後とそれほど速いタイムではない。フィールディングの動きはまだ鈍いか。この部分の動作は見直していく必要があるだろう。 （投球フォーム） ノーワインドアップから入り、右足を真っ直ぐ上げていき、左足は真っ直ぐ立つ。右足を一塁方向へ伸ばしていきながらインステップしていく。右腕のグラブを斜めに伸ばしていきながら右胸に引き込んでいく。やや大きくテークバックを取っていき、リリースしていく。フィニッシュは力強く腕を振り抜くことが出来ているが、まだ体重が乗らず、軸足が残ってしまうのも目立つ。

将来の可能性

180センチを超えながらも投球自体はしっかりと押えた好投手。この世代の大型左腕では山内達也（横浜）、渡邉隆太郎（帝京）が取り上げられているが、それに匹敵する投手であることは間違いないといえる。全国レベルの強豪校がひしめく愛知県という厳しい環境の下でどれだけ恵まれた素質が磨かれるか注目をおきたいと思う。ぜひ来年にはドラフト候補として注目を浴びる存在になることを期待したい。