日大三島が5回に打線爆発で大量6点、藤枝明誠に圧勝
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<第104回全国高校野球選手権静岡大会:日大三島7-0藤枝明誠>◇21日◇3回戦◇愛鷹広域公園
注目の好カードである。昨秋の県大会を制して東海大会も優勝。センバツ出場を果たしている日大三島。報徳学園で全国制覇の実績もある永田裕治監督が就任して早々の快挙だった。その実績を自信として、春夏連続出場を目指したい日大三島。対する藤枝明誠は、2017年夏に悲願の初出場を果たすと、20年秋、21年春と県大会を連続で制するなど上位常連校として安定した実績を残してきている。ただ昨秋、今春はもう一つ満足な結果を残すことができなかった。それだけに、この夏に賭ける思いは強い。
試合は日大三島はエースで4番の大黒柱松永が先発。藤枝明誠は光岡孝監督が、「相手打線を上手にかわして行けるのではないか」と読んで、背番号10の吉川真之助が先発。両投手が、それぞれに打たせて取っていくという投球を展開して、5回を終わって、藤枝明誠は無安打。ここまで15アウトのうち8アウトが内野ゴロ。2回などは3人すべてが遊ゴロ。三振は2つだった。松永は、力で牛耳るのではなくて、いかに上手に打たせていっていたかということの証明でもある。
吉川も、4回までは日大三島打線を2安打、無失点に抑えていた。こうして、投手戦の様相となったのだが、5回、日大三島打線が一気に爆発した。
この回、1死から7番野口が死球となると、8番吉川は送りたいところだったが、藤枝明誠の吉川投手もバントを警戒し過ぎてボールが先行して2ボール。ここで、日大三島はエンドランに切り替えてそれが決まって吉川は三遊間を破って一、二塁。この場面、日大三島の永田監督は、「試合が膠着していたから、動かさなあかんと思って仕掛けた」というところからだったが、これが9番野田も続いて左前打して1死満塁。
ここで、一番頼れるシュアな京井だったが、追い込まれながらも左前へ落して2者を迎え入れる適時打。こうなると、日大三島は勢いづく。続く寺﨑も一、二塁間を破って、またしても1死満塁。3番池口は初球を叩いて右越え二塁打で走者一掃。完全に日大三島の流れとなった。
ここで藤枝明誠の光岡監督は、吉川を諦めて1番をつけた山田蓮を送り出した。しかし、その代わり端を4番松永が捉えて左中間へ二塁打してこの回6点目。見事な6連打と言ってもいいであろう。このあたりは、昨秋県大会を制した自信と貫禄と言ってもいいであろうか。
6回にも日大三島は1死から9番ながら野田がこの日3本目の安打を放ち、失策、四球で満塁とする。3番池口の左犠飛で7点目を奪った。
何とか反撃したい藤枝明誠は7回、先頭の3番山田峻斗がチーム初安打を放ったが、併殺で2死となる。その後も寺下が安打して粘りを見せたものの、最後の打者は捕邪飛で万事休した。
永田監督は、「前半は、打線が振らされていたというか、打たされていってました。修正しようとしていたのだけれども、なかなかできなかった。それでも、6回に一気に崩せたのはよかった」と振り返った。松永投手の投球に関しては、「いい投球をしたんじゃないかなぁ。こんな投球、最近見たことなかったもんなぁ(苦笑)」と、好投を評価していた。松永は、「これからは、連戦になって行くと思いますので、一つひとつを大事にしていきながら自分の投球をしていきたいと思います」と、冷静に先を見据えていた。
スコアほど力の差はないと思われたが、藤枝明誠の光岡監督は、「もう少し、抵抗をしたかったんですけれどもね…。5回の死球の後にエンドランをいかれたところ、もっと言うとボールが先行してそうさせてしまったところがポイントだったかなぁ。あそこでバントをさせておけば、その後に打たれたとしても1点止まりで、また違った展開になったのかもしれませんけれども」と悔いていた。
そして、今年のチームに関しては、「入学してきた時からコロナという状況の中で、頑張ってきた3年生たちに、もうちょっと、高校野球としていい思いをさせてあげたかったんですけれども、それができなかったのは監督の責任ですね。今日投げた2人は、中学時代はどこにでもいるような普通の投手でした。それが、ウチへ来てくれて、一生懸命頑張って、ここまで成長してくれました」と、ねぎらっていた。
(取材=手束 仁)