Interview

真の4番打者へ。元プロの指揮官が分析するスラッガー・徳丸天晴(智辯和歌山)の課題

2020.11.30

真の4番打者へ。元プロの指揮官が分析するスラッガー・徳丸天晴(智辯和歌山)の課題 | 高校野球ドットコム
徳丸天晴(智辯和歌山)

 2021年の高校生を代表するスラッガーとして注目を浴びる徳丸 天晴智辯和歌山)。香川県高野連主催の招待試合の時点で高校通算33本塁打をマークしている。そんな徳丸の現在地に迫った。

 「今年は何もできなく終わった年でした」

 徳丸は2020年をそう振り返る。1年生の時点で高校通算10本塁打。そして高校2年はコロナ禍があり、長期間の活動自粛があり、練習試合再開が遅くなりながらも、11月の招待試合を終えて通算33本塁打と去年を上回るペースで本塁打を重ね、目標としていた通算50本塁打も射程圏内に入っていてもだ。

 反省気味の総括となったのは宿敵である市立和歌山に3度も敗れていることが大きな要因だ。

新人戦 準決勝
市立和歌山 6vs3

県二次予選 準決勝
市立和歌山 5vs4 智辯和歌山

近畿大会準々決勝
市立和歌山 2vs0 智辯和歌山

 勝てば選抜が前進する近畿大会準々決勝で相手エース・小園 健太から第1打席で中前安打を放つものの、以降は無安打に終わり、完封負けに終わった。この試合を終えて、なりたい4番像が定まった。

 「市立和歌山に勝つために勝負強い4番になりたいと思っています。チームの勝敗は4番が背負うものだと思うので、背負って夏を戦うので一発勝負に向けて一打席、集中してやっていき、チームを背負える4番になりたいです」

 さらなるレベルアップへ向けて、練習試合に臨んでいる。そして注目が集まった香川県の招待試合では大手前高松戦で特大本塁打を放ち、高校通算33本塁打に達し、この招待試合では14打数5安打の結果を収めた。徳丸は今回の招待試合について、

 「自分の魅力は長打を打つことなので、1本打てたこと良かったですけど、2日目の試合はなかなか自分の良い打撃はできなかったので、その分は課題かなと思っています」

 1つの結果に一喜一憂せず、淡々とレベルアップに励む4番について中谷仁監督はどう見ているのか。

 「結果ですね。1年生の時はどちらかとうと我慢して育てようと4番に据えていたので、この1年で活躍してくれないであれば、我慢する必要はない。結果が出ないならば代わりの1年、2年が春から4番に座ることも十分に考えられるので、競争相手が出てきても、どしっと座れるタフな4番打者になってもらいたいと思います」

 そのためには圧倒的なスキルを求めている。

 「徳丸の課題は反応力ですね。特にインコースに対してまだ鈍い。そして自分の打席内容を自己分析すること。どういう配球が多くなっているのか。どういうボールで打ち取ろうとしているのか。それを分析にして狙い球を定めていく技術、分析力が必須となると思います」

 振り返ると、徳丸の本塁打や長打を観ると緩いボールに対して非常に強い。甘く入ったボールは逃さない長打力は備わっている。中谷監督が語るようにコースを厳しく突かれながらも一瞬にきた甘いボールを打ち返す対応力を身につけることが小園健太攻略の鍵となる。

 一冬超えた先には全国レベルの投手も容易く攻略する技術を習得し、真の4番打者へ活躍を見せていきたい。

(記事=河嶋 宗一

この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

関連記事

応援メッセージを投稿

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

RANKING

人気記事

2024.05.03

【滋賀】近江、滋賀学園などが夏のシード権をかけた準々決勝へ!<春季県大会>

2024.05.03

目指すは世界一!代表候補の座を射止めた6人の逸材たち

2024.05.03

【埼玉】春日部共栄の「反撃」なるか、5年ぶりの関東切符狙う<春季県大会>

2024.05.03

【春季埼玉県大会】花咲徳栄、投手陣の底上げに成功!中学時代から注目された左腕コンビの活躍でベスト4へ

2024.05.03

【春季埼玉県大会】山村学園の打線が爆発!エース西川も好投!立教新座を一蹴し準決勝進出!

2024.04.29

【全国各地区春季大会組み合わせ一覧】新戦力が台頭するチームはどこだ!? 新基準バットの及ぼす影響は?

2024.04.28

【滋賀】滋賀学園、彦根総合が初戦を突破<春季県大会>

2024.04.29

【福井】福井工大福井、丹生、坂井、美方が8強入り<春季県大会>

2024.04.28

【静岡】藤枝明誠、日大三島、浜松開誠館、静岡などが8強入り<春季県大会>

2024.04.28

【岡山】関西が創志学園に0封勝ちして4強入り<春季県大会>

2024.04.22

【春季愛知県大会】中部大春日丘がビッグイニングで流れを引き寄せ、豊橋中央を退ける

2024.04.21

【愛知】愛工大名電が東邦に敗れ、夏ノーシードに!シード校が決定<春季大会>

2024.04.23

【大学野球部24年度新入生一覧】甲子園のスター、ドラフト候補、プロを選ばなかった高校日本代表はどの大学に入った?

2024.04.21

【兵庫】須磨翔風がコールドで8強入り<春季県大会>

2024.04.22

【鳥取】昨年秋と同じく、米子松蔭と鳥取城北が決勝へ<春季県大会>