額川 康一選手

額川 康一

球歴:

ポジション:二塁手

身長:180.0 cm

体重:65.0 kg

学年:卒業

寸評

10月28日、2010年度のドラフトを終えた。投手は人材豊富といわれたが、野手は不作といわれた。私の中でドラフト上位に相応しい野手は伊志嶺翔大(東海大学)と山下斐紹習志野)だけだ。それだけ人材が思い浮かばない年であった。しかし早くも来年を代表する強打者に相応しい打者がいる。北川 倫太郎。2年生ながら明徳義塾の4番に座る男だ。高知大会決勝戦(2010年07月25日)で彼の打撃を見て、結果を残せば間違いなく全国の高校野球ファンに強烈な印象を残す打者だろうと見ていた。そして甲子園では初戦の本庄一戦(2010年08月10日)では左中間を破る二塁打を含む2安打。2回戦の興南戦(2010年08月15日)では島袋 洋奨から痛烈なセンター前ヒットを見せるなど好投手に対しても対応できる能力を示した。来年の高校球界を代表するスラッガー・北川 倫太郎を取り上げたい。 (打撃) 甲子園では6打数4安打2打点と遺憾なく実力を発揮した。本庄一戦では田村から甘く入ったスライダーを左中間へ深々と破る二塁打、そして外角直球を引っ張り痛烈なライト前タイムリー。興南戦では島袋から外角直球を捉え、強烈なセンター返し。さらに第3打席は外角ストレートを捉えてあっという間に右中間を破るスリーベース。フォークを空振りしたものの、島袋に対して真っ向から立ち向かい打ち返した選手である。彼のヒットゾーンは低め・外角。苦手なゾーン・球種は落ちる変化球か。それでも高校生の段階としては極めてレベルの高い打者であることは間違いない。 スタンスはスクエアスタンス。どっしりと構えた姿は威圧感があり、並みの選手ではないことはすぐに分かる。投手の足が降ろしたところから始動を仕掛けていき、足を回しこむように上げて、インステップして踏み出していく。トップの動作を見ていくと、ヘッドを投手方向にむけながら深く取っていき、振り出していく。スイングは豪快で、踏み込んだ足も崩れずに保つことができている。軸と目線がぶれないので、的確にボールを捉えることができている。スイングの速さだけではなく、軸回転で打つことができている。何よりもフォロスルーが大きいのが魅力で、自分のポイントに来たら確実にスタンドに持っていくパワーは持っている。打撃の形はかなり綺麗だし、この世代の中では強打者というカテゴリーに入るだろう。それだけ魅力的な選手だ。 (走塁) 塁間タイムは4.50秒前後と左打者として遅い。50メートル6秒3らしいが、まだ全力で走っていないのか。それとも塁間タイムだけで彼の走力を推し量ろうとするのは無理があったのだろうか。ただ予選、選手権を通じて盗塁は0。相手の虚を突くような走塁を見せる技術は身につけないと上のレベルでは厳しい。彼はただ打てばいい選手ではないのである。 (守備) 明徳義塾は松森、シングという守備力の高い選手がセンター、ライトを守っているため、彼らと比べて劣る北川はレフトを守っているが、動きは悪くない。しっかりと打球に反応し、慌てずにしっかり打球を処理している。ただプロを意識するとまだ物足りない印象を受ける。高卒プロ入りする外野手は得てして身体能力の高さを活かした選手ばかりだ。強肩、俊足。そういった外野手に対抗するには技術的な粗をなくすこと。北川は送球面で課題を抱えている。興南戦では中継へしっかりと返さず進塁を許したり、バックホームの時は無理に冒険せず中継へただ返すだけに終わったりするなど、まだ完璧に守備をこなせない。
更新日時:2010.11.09

将来の可能性

打撃は高い集中力で打席に入っており、完成度の高い打撃を披露する。しかし走塁・守備で課題を抱えている。打撃は素晴らしい素質を持った選手ではあるが、守備・走塁のレベルを引き上げていかなければ高卒プロは厳しいといえる。これほど打てる選手をアマチュアで留まるのは勿体ないし、ぜひプロの舞台で磨いていってほしいと思っている。そのためには守備・走塁だ。神宮大会では守備・走塁も意識を持ってプレーしているか見ていきたいと思う。 この年の高校生は丸子達也広陵)、高橋周平東海大甲府)が中心だが、打撃に関しては彼らに負けないものを持っている。是非高校野球ファンの方はこの3人をセットにして覚えていただきたい。
更新日時:2010.11.09

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