額川 康一選手

額川 康一

球歴:

ポジション:二塁手

身長:180.0 cm

体重:65.0 kg

学年:卒業

寸評

1年秋から、名門・明徳義塾の4番打者を任されてきた強打者。高い対応力と強烈な打球は、全国でも指折りの存在として知られております。そんな彼が、最終学年を迎えました。これまでと比べて、どのような成長を遂げてきたのか、今回も考えて行きたいと思います。 (守備・走塁面)  1年生の頃から打撃はスーパー1年生だったわけで、目に見えて大きな成長を遂げてきたのは、この守備面だと思います。それまでは、打撃はよくても、打球への反応が悪く、肩もよくないでのドラフト候補としてはどうかな?と言う印象を持っておりました。しかし秋ぐらいから、だいぶその守備にも変化が観られ始めました。打球への判断力が磨かれ、落下点まで無駄のない動きになり、打球のクッションボールの処理や中継への素早い送球などが目を惹きます。自分の身体能力に合わせた、身の丈にあったプレーができるようになりました。けして図抜けた身体能力ではないものの、自分のできることはやろうと言う高い意識が感じられます。そのため守備も今や平均レベル以上のものがありますし、スローイングもプロの基準レベルぐらいまでに引き上げてきました。まさに努力と意識の変化が、この着実な成長を支えます。  足も遅い部類だった彼が、練習試合などでは積極的に盗塁を決めております。新チーム結成以来の35試合で、10盗塁に成功。ただ公式戦では、11試合で1盗塁と大事なところで、まだ決められるほどではないようです。元々遅い足でも、なんとか試合に貢献しようとする姿勢が、走塁からも伺うことができました。  守備、走塁に関しては、上のレベルで売りにするほどではありません。しかし足を引っ張るようなことがないだけの、技術や意識を持って取り組んでいます。プロでも打力さえ伴えば、レフトならば任せられると判断されるのではないのでしょうか。 (打撃内容)  選抜では、ドラフト候補である吉永 健太朗日大三)投手のスピードボールに対し、全く振り遅れることなく鋭い当たりを連発いたしました。特に特別ボールを遠くに運べるとか、難しい球を捌けると言うタイプではなく、甘い球を逃さず叩くのが、この選手の真骨頂。火の出るような強烈な打球は、選抜でも1,2を争うだけのものがありました。  スクエアスタンスで、アゴをグッと引きバランスよく構えます。始動は、以前より遅くなり、それだけボールをよ~く引きつけて叩くスタイルに変わってきました。このタイミングでの始動は「遅めの仕掛け」に属し、多くの長距離打者が採用するスタイルです。そのため以前の中距離打者的な傾向からよりボールを遠くに運ぶ打者への変化を目指していることが伺えます。ただそれだけ狙い球を絞り、狙い球を逃さず叩く鋭さが求められます。前は線でボールを追っていたのを、点で捉える打撃に変わっています。この打撃で高い確率で打ち返すには、図抜けた集中力と技術が求められます。  足を軽く引き上げ、真っ直ぐ踏み込むオーソドックスなタイプ。足をあげている時間が短いので、どうしても打てるタイミングは限られます。そして選抜で気になったのが、踏み込んだし足下がインパクトの際にブレてしまっている点。秋にはその課題を克服すべ、くカカトを地面にめり込ませて、このブレを最小限に抑えていました。しかしこの春は、それができておりませんでした。そのため長くカベをキープできず、身体の開きが早く打ち損じも多いフォームになっておりました。  秋の課題だったトップを作るのが遅れ気味だったのは、早めに作ることができるようになってきました。そのため速い球に立ち後れることなく、鋭く上からバットを振り下ろします。ミートポイントまで無駄なくボールを捉えており、そこから大きなスイングの弧を描きつつ、フォロースルーまでしっかり振り抜きます。以前よりも、よりボールを遠くに運ぼうという意識が感じられます。目線のブレも小さいので、ボール的確に終えます。軸足も地面から真っ直ぐ伸びて回転しているので、好不調の少ない安定した打撃が期待できそうです。  打撃全体にいえるのは、以前の勝負強い中距離ヒッターから、よりボールを遠くに運ぶ長距離打者への移行に、この冬の間に取り組んできたことがわかりました。
更新日時:2011.04.12

将来の可能性

 元々守備、走力に光るものがない中距離ヒッターは、極めてプロからの需要が低いタイプです。まして左打者と言うのも、更に指名の可能性を狭めます。しかしその課題を克服すべく、長距離打者への移行を始めることで、存在価値を高めようと言う意志が感じられます。高校からプロに入りたいと言う強い志しがあるのであれば、充分にありの選択でしょう。  そのために必要な守備・走塁の部分も、最低限のことはできるまでに成長してきました。ただその分、打撃の幅が狭まり、更に足下のブレが生じるなど、少し打撃が粗くなったのは残念なポイント。破れた日大三高戦でも、第一打席に見逃しの三振、第二打席では芯で捉えたものの野手の正面に。更に第四打席では、逆転のタイムリーを放つも、それが勝利に結びつかないあたりに、巡り合わせの悪さを感じずにはいられません。そういった運も含めて、やはりこの選手は、高校からプロに行く選手ではないなあと言う気が致します。よほど夏までに、劇的な成長や大きなアピールができない限りは、六大学や東都と行った強豪大学に進んで、活躍して行く選手ではないのでしょうか。すでに一年春から、レギュラーを張って行くだけの技量は備わっていると思います。仮にどうしてもプロを目指したいのならば、足の指先まで神経を行き届かせつつも、よりスケールアップを追求して欲しいと思います。そのことをスカウトに実感させられれば、指名順位はともかくプロ入りへのGO.!サインを下す球団が出てくるかもしれません。そんな更なる成長を、ぜひ目撃してみたいと思います。
更新日時:2011.04.12

寸評

高校生屈指のスラッガー・北川倫太郎。昨年の夏以降、執拗にマークされることになり地方大会では四死球17個を記録した。それだけ四国の投手は彼の長打力を恐れている証明である。ただこの男が素晴らしいのはこれだけマークされていても打席内に微動だにしなかった。苛立つもなく、ただひたすら自分が打てるボールを絞って打席に入っていた。その雰囲気は高校生と思えないものがあった。そして迎えた選抜。相手は高校生屈指の本格派・吉永健太朗だ。第1打席から吉永のスピンのかかったストレートをファールで粘り続ける。この打席では変化球に狙いを絞って見逃し三振に終わったが、明らかにストレートのタイミングを測っていた。そして第2打席は外角ストレートを打ち返し、ショートライナー。第3打席は外角のストレートを引っ張り、プロ並みの鋭い打球を飛ばすライト線のツーベース。金属とはいえ、これほどの打球を飛ばせる選手は中々いない。打球が上がらないのは気になるところだが、あれほど強い打球を打てるのは軸がぶれずに強く振れている証拠だ。第四打席は四球となって、第5打席はシンカーで空振り三振。吉永のシンカーは素晴らしかったが、4番としてはあっさりと空振り三振に終わって欲しくないというのが本音。あの場面で決めてこそ4番。それだけ彼の求めるものは高い。 トータルでまとめると速球はしっかりと振り切って粘り、変化球はしっかりと見極めて無駄球は手を出さない。狙い球をしっかりと絞っており、打席内の集中力は高い。その集中力の高ささえ削げなければ安定して結果が残せるタイプではないだろうか。 そして最も変わったと思われるのは守備力。とにかく打球に対する反応が速くなり、落下地点に付くのが昨年に比べて速くなった。またレフトのポジションで求められるフェンス際のクッションボール処理とカバーリング。この意識が昨年に比べると格段に高まり、慌てずに処理できている。以前からカバーリングに対する意識はあったと思う。しかしカバーリングという細かい技術は一朝一夕で身につけられるものではなく、長い期間を積み重ねて日大三戦のように守備で我々を驚かすプレーを見せてくれたのだ。また送球も良くなり、コンパクトなフォームから強い送球を見せている。守備もようやく高校生としては基準レベルに達するようになったと評価したい。 最後にこの選手の打球の鋭さとスイングの鋭さはプロ並みの素材だと思う。右投げ左打ちの打者が氾濫する中でこれほどおっと思わせる打球が打てるのは少ない。打球が上がらないのは残念だが、これを修正できるのはプロの指導を仰いで順応させていったほうがいいと考える。
更新日時:2011.04.03

将来の可能性

プロに進めるかは守備力の意識をどれほど高められるかに尽きていたので、本人もその課題を把握して着実に成長を見せていたのは収穫。レフトとして基本的なカバーリングを確実にこなせるようになり、野球選手として一段と成長を見せた選抜ではないだろうか。表情も充実しており、高い緊張感を保ったままプレーしているのが感じられる。この緊張感の下、夏までプレーできれば更に精度の高いプレーは期待できるし、こういうタイプをほっておくのは勿体ない。こういう拘りが見えるタイプは是非プロの舞台で磨いて欲しい選手であると感じた。
更新日時:2011.04.03

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