深沢 鳳介選手 (専大松戸)

深沢 鳳介

球歴:専大松戸

都道府県:千葉

ポジション:投手

投打:右 / 右

身長:175.0 cm

体重:75.0 kg

ボールスピード:145 km/h

学年:卒業

寸評

 大会4日目の第2試合に登場する深沢鳳介(専大松戸)。関東大会優勝、同校初の二季連続優勝に大きく貢献した右サイドハンド。センバツから大きく評価を上げた投手だが、どの点が成長したのか、詳しく振り返っていきたい。  ・平均球速が速くなった  昨秋4完封の深沢にとって課題は平均球速だった。秋の時点では140キロ超えもなく、ドラフト候補にも挙がっていなかった。センバツでは最速143キロをマークするなど、中京大中京相手に1失点の快投。深沢曰く「センバツ時の投球はストレートの走り含めて一番良かった」と語る。そこから春季県大会の投球、練習試合の投球はセンバツほどの投球ではなかったものの、関東大会では142キロをマークし、センバツ時の投球に近づいてきたと語る深沢。夏の大会までどこまで球威アップさせるかにこだわってきた。  ただ不調も長く、大会1週間前まで思うような投球ができなかった。持丸監督の指導で見た目ほど大きな変化はないが、テークバックを大きくするイメージで投げることを意識したところ、球威アップ。千葉大会では雨天続きで初戦登場が1週間遅れたことも幸いし、西武台千葉戦では138.75キロ、八千代松陰戦では139.81キロ。東海大市原望洋戦ではほとんどが140キロ超え。最速145キロに達し、着実にパワーアップを見せた。  全国の高校野球ファンに成長した姿を見せるすることができるだろう。 ・右サイドだけれどカーブが使える実戦派  右サイドらしいスライダー、シンカーを投げ分け、的を絞らせない投球を実現する。ただ深沢はカーブが使えること。打者が頭にないところにカーブを投げ、三振を取ったり、ストライクを取ったりと、上手い投球術を見せる。 ・もし高校日本代表制があれば…  今年は派遣中止になったが、U-18代表があれば、数少ない右サイドの速球派かつ実戦力が高い投手として選出されていたといえる。 ・今後はどんなタイプに育つ?  深沢の2学年上には、尊敬する横山陸人(千葉ロッテ)がいる。横山は高校3年夏には最速148キロをマークし、深沢以上の速球派サイドハンドだった。プロ入り後も、体重76キロだったのが、86キロまで増量し、リリーフではあるが、コンスタントに140キロ後半〜150キロをマークするまでとなっている。  深沢も次のステージで体重増加によって球速は伸びていくと考えられるが、持丸監督も高く評価する感性の良さを持った投手なので、高津臣吾(元ヤクルト)、潮崎哲也(元西武) 系統の投手に育つのではないか。  現代の野球では、ラプソードで球質の分析も発達したので、ストレートの球質を向上させて空振りが奪えるストレートを追求できればと思うが、分かっていても打てない変化球の習得してほしい。ここまでの深沢の投球を見るとそれができる素養は感じさせる。 ・甲子園ではどんな投球を見せるか。  千葉大会の投球は指名圏内に入っていてもおかしくないと思わせる投球だった。甲子園では、成長した姿を発揮できるか。初戦の相手はセンバツ準優勝の明豊。アピールするにはもってこない相手だ。ぜひ称賛を浴びることを期待したい。
更新日時:2021.08.16

短評

試合レポートから抜粋 そんな深沢は、選抜では巧みな投球術で中京大中京と互角の投げ合いを演じた印象が強い人もいるだろう。ただ、選抜以降から平均球速が大幅に改善されている。 選抜:136.40キロ 春季関東大会:137.04キロ 西武台千葉:138.75キロ 八千代松陰:139.81キロ ※全て高校野球ドットコム調べ  選抜から4ヶ月ほどで、平均球速を3キロアップさせている。このことには深沢本人も「課題にしていたことで上がっていることは実感していることですし、良いことだと思います」と手ごたえは十分ある。  この向上は、選抜での反省が大きかったと深沢は分析している。 「自分はストライクを取りに行っても、投げ方や力感を変えようと思っていないですし、監督にも言われていることです。実際、選抜では甘いボールを打たれましたので、ストライクを取りに行ってもコーナーを突く。1球を大切に腕を振ってきた結果だったと思います」  深沢自身も強みにしている、選抜で見せた多彩な変化球を投げ分ける投球術の引き出しの多さ。そこに、3か月間で手に入れた力強いボールが加わった。柔と剛、これを巧みに投げ分ける深沢のピッチングは、完成形なのではないかと八千代松陰戦を見ていて確信せずにはいられなかった。  決勝は昨夏の独自大会で敗れた木更津総合となった。「勝てば甲子園ということを考えずに、自分たちの野球をしたいと思います」と意気込みを語った。優勝のマウンドに深沢の姿はあるのか、今から楽しみだ。 (記事=田中 裕毅
更新日時:2021.08.16

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