深沢 鳳介選手 (専大松戸)
短評
初戦の快投から始まり、4試合を投げ、防御率0.64、28回を投げ、36奪三振、K/BB 7.2と抜群の安定感を誇る。この夏の大会で大きく評価を挙げた好投手といっていいだろう。そんな深沢の成長が感じられた初戦(西武台千葉戦)のレポートを改めて紹介したい。
試合レポートから抜粋
関東大会優勝の専大松戸が登場。14対0の5回コールド勝ちで圧倒した。その中で最も光ったのが、エースの深沢鳳介の快投だ。5回9奪三振無失点の前評判通りの快投を見せた。
改めて今年の千葉を代表する投手に相応しい投球だった。
注目の立ち上がり。かなり緊張していたのか、初回に四球を与えてしまう。しかし女房役の加藤大悟の盗塁阻止でアウト。「かなりホッとしました」と安堵した深沢は二者連続三振を奪う。その後、初回に2点、2回裏に5点を入れたことで、深沢は自分のペースを取り戻し、切れ味鋭い速球を投げ込む。
右サイドから常時135キロ〜142キロの直球は手元で鋭く伸び、分かっていても空振りを奪える。また大量点差がついたところで、次戦を見据えて、100キロ台のカーブを見せた後に、140キロのストレートを胸元につくというえぐい投球パターンを披露しただけではなく、左打者に対しては得意のスライダーでバックドア(外角のボールゾーンからストライクに入れる)を使って見逃し三振に奪うなど、幅の広い攻めを見せた。
この日詰めかけた多くのスカウトを喜ばせる投球を見せた深沢。しかし大会前まで不調だった。その不調を脱するきっかけをつくったのが持丸監督のアドバイスだ。
「自分では気づかなかったのですが、テークバックが小さくなっているので、もう少し大きく取るつもりで投げてみなさいとアドバイスをいただいたら、だいぶよくなってきました」
ワンポイントアドバイスだが、一気に良くなる深沢のセンスの良さも素晴らしい。
改めて他のドラフト候補に上がる右投手たちにはない技術の凄みを発揮してくれた。今大会は登板間隔が少なくなるということで、連投に対する準備も6月から行ってきた、それでも深沢の能力を発揮するためには岡本陸など春季大会で経験を積んできた投手たちがしっかりと活躍できるか。
甲子園で勝つことと戦国千葉を勝ち抜く投手を目指してきた深沢は上々の滑り出しを切った。
更新日時:2021.07.21
将来の可能性
課題だった平均球速も上がっており、球威が感じられるストレートとなっている。テンポも素晴らしく、投球の出し入れ含め、高校生投手としては突き抜けている。ここまで元気よく投げられていることが素晴らしいことであり、今年のドラフト候補でも、不調で思うような実力を発揮できずに終わった投手がいるため、相対的に評価が挙がるだろう。何より深沢は右サイドという付加価値がある。 2年前のエース・横山陸人と比べると球速面が劣るぐらいで、すべてにおいて当時の横山を上回る。昨年から投げている投手だが、これほどの投手に成長するとは想像できなかった。 高校2年秋からここまでの成長度に関しては、今年の高校生投手の中ではナンバーワンかもしれない。
更新日時:2021.07.21
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