小笠原 慎之介選手 (東海大相模)
短評
観戦レポートより抜粋(2015年7月25日) 注目の立ち上がり。小笠原 慎之介についてのコラムを書いた時、いかに決め球を磨き上げるかがカギに挙げていたが、この日の小笠原はストレート中心のピッチング。一場 裕也がいきなりホームラン性のファールを打たれるが、140キロのストレートで見逃し三振に奪うと、4番倉岡には、142キロのストレートで見逃し三振に打ち取る快調な立ち上がりだ。 小笠原は、5月の関東大会と比べると、ストレートの勢い、キレともに良く、何よりコントロール、変化球がよくなっていることだ。常時138キロ~144キロ(最速145キロ)のストレートを軸に110キロ台のカーブ、120キロ台のスライダー、130キロ前後のカットボールをカウント取りに使いながら、ここ一番では、145キロ級のストレートで押すか、または120キロ台のチェンジアップで空振りを狙う配球を見せており、チェンジアップで三振を奪うのはこれまでの小笠原にはなかった投球パターンであった。 まだ抜け球が多いものの、投球の幅を広げていこうという意図は感じる。投球フォームも、変化が見られ、左スリークォーターから投げ込む小笠原だが、グラブの使い方がやや平面的なのが課題であった。だが少しだけだが、高く掲げるようになり、開きを抑えるようになった。そしてリリースで強くたたくことを意識した腕の振りになり、同じ140キロ台でも勢いが違う。嵌ったときのストレートは、大学、社会人の左腕と比較してもなかなかお目にかかれない素晴らしいストレートであった。 小笠原は尻上りの調子を上げていき、7回裏に最速147キロを計測。勝ち越した8回裏は投げるたびに声を出して、3アウト目は144キロのストレートで見逃し三振。9回裏、小笠原の球威は衰えることはなく、144キロを連発。最後は戸張に粘られるも二ゴロに打ち取り、試合終了。東海大相模が3年連続のベスト4進出を決めたのだ。 小笠原は春よりも大きく成長した姿を見せ、制球力、球威、スタミナ、マウンドさばきともに高いレベルを示した。課題であった変化球も少しずつ改善がみられてきている。ここ一番の場面で気持ちがこもった投球を見せられること。そして大一番となる平塚学園戦に併せてベストパフォーマンスを発揮できる調整力は素晴らしい。 この日の内容は成長したと実感できる内容。自らの課題克服さらに進化した姿を今後も見せてくれるか期待したい。
更新日時:2015.07.26
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