上林 誠知選手 (仙台育英)

上林 誠知

球歴:仙台育英

都道府県:宮城

ポジション:中堅手, 外野手

投打:右 / 左

身長:184.0 cm

体重:77.0 kg

学年:卒業

寸評

 2013年度の高校生を代表する外野手として注目を浴びている上林 誠和。バットを立ててすらっと構えた姿は稲葉篤紀(現日本ハム)を彷彿とさせる。ただ稲葉な様な様々な球種を打ち分けるタイプではなく、一点必殺の強打者スタイル。見た目はどの方向にも打ち分ける好打者と思いきや実際は一点必殺で本塁打にさせる打者なのだ。そして走塁・守備技術も高いレベルに到達しており、2013年度の左打ち高校生外野手を代表する存在となるだろう。 (打撃)  神宮大会ではすべて左投手と対戦。左投手に対しては何を待っているかと聞くと「左投手のカーブ、スライダー系に狙いを絞っています」と答えてくれた。確かに変化球を捉える打席が多い。北照の大串から放った本塁打は高めに入ったスライダーであった。緩めの変化球を捌いていくタイプである。変化球を絞るということは当然ながらストレートに振り遅れる可能性が高い。神宮大会の打席内容を振り返るとストレートに振り遅れる事が多かったのだ。  スタンスはオープンスタンス。グリップを肩の位置に置いて背筋を伸ばして構えている。投手の足が降りたところから始動を仕掛けていき、右足をすり足気味にあげていき、真っ直ぐ踏み込んで打ちに行く。  トップの動きを見るとバックスイング自体は小さく、グリップが入り過ぎることはない。インコースの捌きも上手く、外角への捌きもしっかりしている。右投手にかなり強く、内外角、低めのゾーンを捌くことができている。ヘッドが立って、弧を描くようなスイング軌道で、木製でも長打が打てるスイングだろう。  ただ左投手には変化球待ちなのか、ストレートに差し込まれる事が多い。外角球を見送るのを見ると、外角が遠く感じているような見え方をしていて、バットが出て行かないのだ。右投手の反応については問題ない。課題は左投手の対処。左投手から難なく打てるかが選抜のチェックポイントになるだろう。 (守備・走塁)  塁間4.00秒前後。たまに4秒00を切る時もあり、俊足の基準である4.00秒を切るほど。あと塁間タイムだけではなく、素晴らしいのは将来的には足を売りにする事ができる可能性を秘めている。  一歩目の反応は速く、打球に対して目線がぶれずに一直線にボールを追うことが出来ていること。やや右中間寄りに守っていても、左中間方向に打球に追い付く程の守備範囲の広さがあり、守備範囲は高校生としてはかなりハイレベルな選手だ。  気になったのは肩があまり強くないことだ。シートノックを3試合ほど見たが、シュート回転してしまい、センターとしては物足りないものだった。強肩が求められるセンターで、今回のスローイングは正直心配となった。あくまでこの時期だけ肩の調子が悪かったと思いたい。
更新日時:2013.02.25

将来の可能性

 身のこなし、シャープなスイング、鋭いライナー性の打球を見ると、並みの左打者に比べて素材が違う選手。最近指名された左打ちの高校生外野手と比較すると内容、素材は彼が上だと思う。  しかし打撃内容を見ると、なんでこんな窮屈な打撃をするんだと不思議に思う。ちょっと頑固なところがありすぎて、凡退になることも多い。あとセンターからの変化球が弱いのも気になった。  彼には一発長打は期待していない。求めているものは右左、本格派、技巧派問わずヒットを打てる打者になってほしいということ。彼の潜在能力を考えると、まだまだこんなものではない。彼に対しては普通の左打者に比べて求めるものがかなり高いので、もっと幅の広い打撃を見せてほしい。  今年の高校生の左打ち外野手ではトップランクに当たる選手。センバツではモノの違いを見せて、ドラフト上位候補に名乗り上がる活躍を見せてほしい。
更新日時:2013.02.25

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