中村 祐太選手 (関東一)

中村 祐太

球歴:関東一

都道府県:東京

ポジション:投手

投打:右 / 右

身長:181.0 cm

体重:75.0 kg

学年:卒業

短評

(観戦レポートより抜粋 2012年03月27日)  この日の最速は139キロ。けっして速くないのに、奪った三振は13個。変化球(チェンジアップ)で奪ったのは1個だけで、残り12個の結果球はすべてストレート。そのうち見逃しは2個で、あとの10個は空振りである。圧巻は2~5回にかけて記録した5連続三振で、すべてストレートで空振りの三振を奪っている。  中村を見ていると、とにかく気持ちがいい。内回旋のバックスイングでヒジを上げていき、ボールを持つ右手は体の陰に隠れ、握りは見えない。左肩上がりがわずかに気になるが、投げに行くとき左肩を回さず直線的に打者の方向に向かっていくので、ボールを押さえ込むのにはむしろ都合がいいフォームだ。実際、中村はリリースのとき、ボールを押さえ込んでいる(あるいは“潰している”と表現してもいい)。  持ち味は、これ見よがしのスピードボールではない。初速と終速の差が小さいボールが打者手元でピュンとひと伸びし、これを右・左打者に関係なく内角、外角に丁寧に投げ分ける。130キロ台前半ならバットに当たるので、ファールを打たせたい若いカウントで投げ、実際よくファールを打たせていた。そして、追い込めばアウトローを基本線に130キロ台中盤から終盤のストレートで空振りを奪う。これが中村の基本パターンである。  ストレートのことばかり書いたが、変化球もひと通り持っている。ストレートの次に多く投げるのがスライダーで、私にはこれが物足りなかった。むしろ、あまり多投しなかったカットボールっぽい小さな曲がりのスライダーやブレーキの効いたチェンジアップのほうがいい。とくにチェンジアップは、ストレートのあとに投げられると打者のバットは高い確率で空を切る。このスライダーとチェンジアップを今日より多くストレートの合間に挟めば、中村のピッチングの幅はさらに広がって、打者の脅威になるだろう。
更新日時:2012.03.30

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