水原 浩登選手 (関西)

水原 浩登

球歴:関西

都道府県:岡山

ポジション:投手, 遊擊手

投打:右 / 右

身長:180.0 cm

体重:80.0 kg

学年:卒業

寸評

 この夏、エース背番号を背負った水原 浩登 。しかしスカウト達の評価は、野手としての才能が買われているのだという。そこで今回は、野手・水原 として考察してみたい。 (守備・走塁面)  投手として登板しない試合では、背番号1をつけながらも遊撃手として出場。投手として140キロ台の球速を連発できるだけに、深いところからでもダイナミックなプレーが期待できるスケール大きな遊撃手だ。しかしその反面、フットワーク、キャッチング、足の運びなどが、この夏は練習不足だったのかイマイチだった。凄いプレーを見せる反面、送球が乱れたりと雑なプレーが目につく。もう一回鍛え直せば、そういった部分もだいぶ解消されそうなものの、それほど柔らかいキャッチングや非凡なグラブ捌き、スピード感溢れるようなプレーヤーではないだけに、上のレベルを意識するのであれば三塁や二塁手向きであるように思える。  一塁までの塁間を4.4秒ぐらいで走り抜ける脚力はあり、これを左打者に換算すると4.1秒ぐらいに相当する。プロでの基準である4.2秒を上回るぐらいの脚力はあるものの、この夏の岡山予選の6試合でも盗塁が0個だったように、足を売りにするプレースタイルではない。現時点では、守備・走塁共に、プロでやって行くだけの身体能力はあるものの、それほど際立つものは感じられない。  (打撃内容)  この夏は、投球に専念できるように下位打線を打っていた。岡山予選の打率.278厘が示す通り、振り込み不足していたのか?スイングの鈍さが気になった。元々野手としては打球の鋭さに一つ特徴があったのだが、すっかり普通の高校生になってしまったなあという印象は否めない。  <構え>  スクエアスタンスで、両足を揃えて構えます。グリップの高さは平均的で、腰の据わり具合は好いものの、全体のバランス・両目で前を見据える姿勢などに特徴は感じられません。特に構えから凄みとか嫌らしさを感じさせる打者では、けしてありませんでした。  <始動>   一度ベース側に爪先立ちしてから、投手がリリースをした後に始動する、遅すぎるタイミングで動き出します。これでは、一定レベル以上の球速・キレのある投手には立ち遅れて、充分に対応できないものと考えられます。将来的には、幾分始動全体を早めることが求められそうです。  <下半身>   足を上げてから降ろすまでの「間」が短いので、打てる球は限られます。そのため狙い球をしぼっておいて、その球が来たら逃さない「鋭さ」が求められます。少しベース側にインステップして踏み込み、足元はブレません。そのため外の球でも、きっちり叩ける形はできています。  <上半身>   打撃の準備である「トップ」を作るのは、早いです。これにより始動の遅さを補い、速い球に対応しやすくしています。ただこの夏は、バットの振り出しの際に肘が下がり気味で、ボールを捉えるまで少し遠回りになっていました。それでもドアスイングにならないように、バットの先端が下がらないようにスイングします。大きなフォロースルーを作り、最後まで振り切れているのは好いと思います。  <軸>   足の上げ下げ小さいので、目線が動くことなくボールを的確に追えます。体の開きも我慢できておりますし、軸足もしっかりしていました。  ボールを捉えるまでの技術ととタイミングの取り方には課題を残しますが、捉えてから強く遠くに運ぶスイングには光るものがあります。本格的にバットを振りこめば、もっと強打者ぶりが際立って来ることでしょう。
更新日時:2011.09.20

将来の可能性

 個人的には、強肩・強打の遊撃手としてのスケールは感じますが、打撃の対応力や守備での繊細さなどを考えると、プロの遊撃手としては物足りないものを感じます。打者としても特徴がわかりづらく、中途半端に終わる可能性が高いのではないのか?という不安は拭えません。私は、むしろ野手としてよりも、投手としての才能を高く評価致します。しかし話によると、卒業後は野手一本でやって行くとの話を聴きました。それが将来的に吉と出るのか凶と出るのか、少し長い目で見守りたいと思います。
更新日時:2011.09.20

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