水原 浩登選手 (関西)

水原 浩登

球歴:関西

都道府県:岡山

ポジション:投手, 遊擊手

投打:右 / 右

身長:180.0 cm

体重:80.0 kg

学年:卒業

寸評

関西の投打の柱。1年生から堅田との二枚看板として投げてきた。全国大会では登板はなかったものの、地方大会では二人と投げ合ってきた。2年秋からショートを兼任し、中国大会決勝(2010年10月31日)では先発登板。完封し、優勝に貢献した。 神宮大会では打っては2ラン・レフトオーバーの二塁打を含むマルチヒット。投手としては最速142キロをマークし、高い能力を示した。選抜では堅田裕太渡辺雄貴と共に注目される存在になるだろう。神宮大会(2010年11月13日)から彼のプレーを振り返っていきたい。 (投手) 右オーバーから投げ込む直球は常時135キロ~140キロでマックス142キロを計測。ストレートの勢い、キレは中々なものを感じさせるが、ややシュート回転して抜ける傾向がある。変化球は120キロ前後のスライダー、120キロ前後のシンカー、120キロ前後のチェンジアップ、90キロ前後のカーブを投げこむ。球の勢いは中々で、秋の段階では高いレベルにある。変化球も多彩だし、投手の基本能力は高い。身こなしのよさ・クイックの機敏さにはセンスを感じさせる。 (打者の攻め) ・右打者 外角中心にストレート、スライダー、チェンジアップを投げ分ける配球。外角にある程度コントロールできているものの、ストレートがシュート回転してしまい危ない投球をしている。 ・左打者 外角中心にストレート、スライダーを投げ分ける配球。高めに抜けてしまう傾向があり、高めに浮いたボールを痛打されていた。 彼の投球を見て感じることは非凡なストレート、多彩な変化球を投げ分けながらもそこには配球の妙を感じられないのは残念なところ。投球に意図を持たせることでその才能がさらに大きく開花しそうだ。 (投球フォーム) ノーワインドアップから入り左足を回しこむように上げていく。二塁方向に足を送りこんでいき、捻転動作を取っている。左腕のグラブを斜めに伸ばして引き込んでいくが、テークバックの動きを見ると後ろが大きく、いわゆるアーム式のテークバックで綺麗とはいえない。そこからリリースに入っていくが、離す位置はそれほど高くなく、角度は感じない。フィニッシュの時に踏み込んだ左足の膝が割れてしまい、プレートを押さえ付ける右足のスパイクが完全に浮いてしまっている。これでは体重が乗らない上に、ボールが高めに浮きやすい。一見、堅田よりもまとまっているように感じるが、技術面で課題を抱えている事が分かった。いろいろ直す箇所はあるが、まずは軸足をうまく使い、体重移動をスムーズにできるフォームにしていくことが先決であろう。 (野手) スタンスはオープンスタンス。バットを立てて構える姿にはセンスを感じさせる。投手の足が降りたところから始動を仕掛けていき、小さくトップを取って振り出していく。第1打席は高めの変化球を思い切り上から叩きつけてライトスタンドへ運び、そして8回の表にはスライダーをうまく拾ってレフトオーバーの二塁打を放った。 打つときに軸足を動かす特徴のある使い方をする選手だが、スイングは鋭いし、タイミングを取るのが上手く、センスは長けている。 (守備) ショートの守備は地肩の強さが光っているが、人工芝に慣れていないというのもあるが、グラブ捌きが硬く、捕球の仕方がぎこちない。まだ捕って投げるという域から脱しておらず、上手いショートから感じられる安定感・リズムを見つけるのがこれからの課題となりそうだ。 塁間タイムは4.55秒前後で左打者に換算すると4.20秒前後だから、まずまずのタイムだ。 盗塁センスについては分からなかった。
更新日時:2010.12.08

将来の可能性

投手としての基本能力の高さ、逆方向にホームランを飛ばす長打力は素晴らしく、個人的には一押しの選手だ。 ただその能力の高さ、身体能力の高さだけに頼ったプレースタイルで、細かい部分を見て行くと技術的な課題を抱えている。投球からもただ淡々と投げている感じで、そこには考えてプレーしていないように感じる。特に投球ではどういう根拠を持ってそのコースを投げているのか。それが見えてこないと投手としての大成は難しい。 今後は技術的な成長だけではなく、内面の成長も見せることが出来れば、ドラフト候補として推せるのではないだろうか。選抜では秋よりも一回り成長した姿を見せることができるか注目してみたい。
更新日時:2010.12.08

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