渡辺 雄貴選手 (関西)

渡辺 雄貴

球歴:関西

都道府県:岡山

ポジション:外野手, 投手, 三塁手

投打:右 / 右

身長:180.0 cm

体重:75.0 kg

学年:卒業

寸評

 高い身体能力を生かしたプレーで、その才能が買われてきた 渡辺 雄貴も、いよいよ最後の夏を迎えている。果たして、何処までその才能を伸ばすことができたのか?過去のプレーと比較しながら、その成長ぶりを考察してみたい。 (守備・走塁面)  一塁までの到達タイムは、以前と変わらず4.6秒台。これを左打者に換算すると4.3秒台。左打者の到達タイムのプロの基準が4.2秒ですから、やや物足りないものになります。実際に岡山県大会でも、盗塁はありませんでした。少なくても、足を売りにして行くプレーヤーではないと思います。  守備位置は、サードに戻りました。ただキャッチングは危なっかしいのですが、意外にミスをしないのが彼の特徴。フットワーク・キャッチングなどは悪いのですが、打球への反応が素早く、地肩の強さを生かしてスローイングは安定しています。岡山予選の6試合でも、失策1個でした。それでも上のレベルでは、相当鍛えないとサードとしては厳しいのではないのでしょうか。  (打撃内容)  腕っぷしの強さに頼った強引の打撃をするのですが、何かやってくれそうという期待を抱かせてくれます。岡山予選では、本塁打こそ0本でしたが、7打点で打率.368厘。甲子園での九州国際大附戦(2011年08月11日)では、見事な一発を放ちました。 <構え>  スクエアスタンスで足を揃え、グリップを高く添えた強打者スタイル。腰の据わり・全体のバランス・両目で前を見据える姿勢は平均的ですが、少し力みからか硬く感じられる構えです。もう少し、体を動かしリズムを刻むとか、何か力を抜いてリラックスできるようになるといいですね。この硬さが、打撃全体にも影響しています。 <始動>  投手の重心が下がりきったあたりで、足を大きく引き上げて動き出します。このタイミングは、ある程度の対応力と長打力を兼ね備えた中距離打者が採用する始動です。ですから彼は、勝負強さを売りにするポイントゲッターに適した打者だと言えるでしょう。実際に、そういった役割をチームでも担っています。神宮大会に観た時は、始動が遅すぎたのですが、だいぶその辺は改善されていました。 <下半身の動き>  足を大きく引き上げてから、足をまわし込んで着地するまでの時間があるので、それだけ打てるポイントは多いタイプです。ベース側にしっかり踏み込んで来る、インステップを採用。外の球を強く叩くことを、意識した踏み込みです。踏み込んだ足元も、インパクトの際にブレずに我慢。体の開きを抑え、外の球をきっちり叩けるようになっています。 <上半身の動き>  あらかじめグリップを、トップに近い位置に添えています。そのため速い球に振り遅れる心配はありませんが、こうするとリストワークに力みが出て打てる球が限られて来るのが残念です。それでも上からミートポイントまで、できるだけ無駄のないスイングを心がけます。しっかり振りきれていますし、ロスの少ない良いスイングだと思います。ただ気になるのは、インパクトの際に体が上に伸び上がるので、どうしてもボールにダイレクトに力が伝えられず、エネルギーが集約されていないのが気になります。この辺のスイングのロスを改善できると、もっと強く鋭い打球が飛ぶ確率が増しそうです。 <軸>  足を上げ下ろすスタイルなので、目線はある程度動きます。そのため的確にボールを捉えるのには、あまり適しておりません。ただ体の開きも我慢できるようになっていますし、何より軸足に強さを感じます。この辺は、強打者として強い打球を放つのに欠かせない要素です。
更新日時:2011.08.18

将来の可能性

 打撃に関しては、昨秋に比べますと、見違えるほどフォームを修正してきました。ただ、まだ動作が硬いので、その辺も意識して取り組めると、もっと打撃の幅が広がりそうです。そういった努力できる忍耐力と、それを実現できるセンスがあることは、この一年間でよくわかりました。  守備・走塁で光るものはありませんが、ソツなくこなせるだけの術を身につけて行きたいところです。やはり彼の魅力は、打撃でのアピールとなると思います。それでも少しずつですが、着実に成長していることがわかり嬉しく思います。この努力する習慣を忘れずに、今後も取り組んで行ければ、まだまだ伸びて行けることでしょう。大学や社会人で、その才能を磨き、いずれはプロという領域まで昇りつめて欲しい一人でした。
更新日時:2011.08.18

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