渡辺 雄貴選手 (関西)

寸評

昨年選抜では、優勝した島袋 洋奨（興南）投手から、3安打を放ち注目された選手です。内角の厳しい球でも、強引に腕っぷしの強さで外野まで持っていてしまう強打者。恵まれた体格、バランスの取れた身体能力など、今年の選抜でも注目してみたい野手の一人です。 （守備・走塁面） 　一塁までの塁間を4.6秒前後（左打者換算で4.3秒前後）で走り抜ける走力は、プロレベルに混ぜると中の下クラスになります。プロの基準としては、4.2秒（左打者換算で）が目安になります。ただ新チーム結成以来の47試合で、9盗塁をしていることからも高校生レベルでは動けない選手ではないよう。ただこれから上のレベルでの野球で、足を売りにすることはなさそう。 　神宮大会では、背番号7をつけてライトを守っておりました。その右翼手としての打球への反応・キャッチングなどは、それほど上手くないように見えます。ただ地肩に関しては中の上レベルはあり、上のレベルでも通用するものがありそう。ただ元々内野をやっていた選手なので、経験を積んでどのぐらいレベルまで到達のするのか注目してみたい。 （打撃内容） 　リストや腕っぷしが強く、やや強引な打撃が目立ちます。それでもボールをしっかり捉えた時の打球は強烈で、想像以上に伸びて行きます。あとは、脆さをいかに改善して行けるのかが今後の課題でしょうか。 　前の足を軽く引いて、グリップを高く添えた強打者スタイル。構えた時に力みが感じられるので、もう少し柔らかくボールを待ちたいところです。仕掛けが「遅すぎる仕掛け」を採用しているので、速いボールに立ち後れる可能性が高いです。幾分全体の始動を早めることが求められます。 　足を軽くステップするのですが、スタンスが狭いので懐が窮屈で、内角の球を上手く捌けません。また上半身と下半身のバランスが取れていないので、ボールを捉える時に足下がブレてしまいます。今のままだと真ん中周辺の、極限られた球しか捌けない気が致します。 　打撃の準備段階である「トップ」を作るのも遅れがち。腕を上手くたたんでスイングできず、腕がしっかり伸びるコースしか捌けないスイング軌道です。腕っぷしの強さを活かして遠心力を効かせたスイングで、その打球は想像以上に伸びて行く特徴があります。

将来の可能性

　身体能力・体格には恵まれておりますが、まだまだその能力を生かし切れておりません。現状は、高卒プロと言うよりは大学などで時間をかけて、実戦力を養って行くことが求められます。少し長い目で見守って行きたい大型野手といった感じでしょうか。