Interview

東洋大の154キロ左腕・細野晴希 140キロ→148キロの大幅UPで自信がついた大学1年目【前編】

2022.05.08

 東都大学野球リーグ2部に所属する東洋大は、現在は2部だが、1部では20度のリーグ優勝に加え、全日本大学選手権は優勝4回、明治神宮大会は優勝2回の実績がある。

 今年の投手陣の一角を担う左腕・細野 晴希投手(3年=東亜学園)は、最速154キロを誇り、早くも2023年のドラフト候補の逸材として注目を集めている。

 毎年好投手を輩出する東洋大は今年も、156キロ右腕・羽田野 温生投手(4年=汎愛)、151キロ右腕・一條 力真投手(2年=常総学院)を筆頭に速球派投手が多く在籍しており、首脳陣・選手たちは「日本一の投手陣」を目指していると声を揃える。

 今年の大学野球界トップクラスの投手陣と言っても過言ではない東洋大の主戦として、1部昇格、日本一奪還に燃える細野の現在に迫る。【前編】

キューバ遠征で自覚

東洋大の154キロ左腕・細野晴希 140キロ→148キロの大幅UPで自信がついた大学1年目【前編】 | 高校野球ドットコム
東洋大・細野 晴希(3年=東亜学園)

 東東京屈指の名門校・東亜学園出身。東洋大への進学の理由は、恩師である武田 朝彦監督、上田 滋前監督が東洋大OBということで「少しでもお二人に近いところで野球がしたかった」と、尊敬する2人の背中を追った。

 高校時代は2018年に東京都高野連が主催したキューバ遠征の選抜メンバーにも選出された。都内屈指の左腕として当時から注目を集める存在だったが、「球もそんなに速くなかったですし、いいピッチャーも他にいたのでそんなに自分がいいピッチャーだとは思っていなかった」と当時を振り返る。

 特に同じくキューバ遠征のメンバーだった東海大菅生中村 晃太朗投手(現JFE東日本)は同じ左腕として「勝手に意識していました」と都内の好投手たちに刺激を受けていた。

 それでも「東亜学園の中で自分は中心選手なんだなというのが改めて実感できた」とキューバ遠征が転機となり、エースとしての自覚が芽生えたという。高校時代の最速は140キロ前後。しかし大学進学後に球速は大幅に上がった。

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大学1年時に148キロ計測

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東洋大・細野 晴希(3年=東亜学園)

 東洋大入学後は1年時から公式戦で登板を果たす。そして高校卒業から半年も経たないうちに最速148キロを計測。確かな手応えもあった。「思いっきり投げたわけではないので、これだったら150キロ出せそうだと思いました」。

 大学に入ってからはトレーナーを目指しているという兄が考案したメニューで人生で初めてウエートトレーニングを取り入れた。「高校野球を引退して、いきなり5キロ伸びました。トレーニングで体を強くしたのが要因かなと思います」と効果を実感した。

 首脳陣の期待を大いに受け、下級生の頃から経験を積んだ。特に1部で戦っていた時は厄介なバッターが多かったと語る。「亜細亜大の田中 幹也選手(4年=東海大菅生)は実際打たれたわけではないのですが、内野ゴロでも足があるのでヒットになったり、うまく当てて長打もあるので警戒しながら投げた記憶があります」。

 そして今年2月の練習でラプソードで計測した際には、最速を154キロに更新。回転数は2554、回転効率は93と球質も魅力的な数値を叩き出した。自身の直球の性質については「皆から言われるのは角度が斜めに入り、スーッと伸びる感じです」と表現する。取材日のブルペン投球でも「全然でした」と笑うが、ミットを突き抜けそうな伸びのある直球を投げ込んでいた。力強さというよりも上品な球筋が印象的だった。(後編に続く)

(取材:藤木 拓弥

この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

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