試合レポート

修徳vs佼成学園

2019.10.28

修徳1年生が活躍! 都大会初登板の床枝が好投し、鈴木悠が三塁打で突き放す

修徳vs佼成学園 | 高校野球ドットコム
修徳4番・中西陸

【熱戦の模様をギャラリーでチェック!】

 雨続きで日程が大幅に変更になる中、修徳は14日に試合をした後、20日に2回戦と、ほぼ当初のスケジュール通りの試合間隔であったのに対し、佼成学園は、14日の試合の後は2回戦が26日で、3回戦は27日と2日連続の試合になるなど、変則な日程になった。

 佼成学園は、1、2回戦で完投した背番号11の平澤燎ではなく、背番号1の左腕、森士恩が先発した。一方修徳は、実績はほとんどないものの、荒井高志監督が「球に力がある。いい相手にぶつけようと思っていました」と、起用のタイミングを考えていた1年生の床枝魁斗を先発させた。

 佼成学園の森士は、球に力はあるものの、全体的に高めが多く、1回表に2本の安打を打たれ、二死一、二塁。修徳の5番・芳賀太陽の中前安打で二塁走者の間島玉喜が本塁を突くが、佼成学園の中堅手・森慎之介の好返球で刺され、修徳は無得点に終わった。

 それでも修徳は、3回表にたたみかける。1番・間島の中前安打をきっかけに、2番・鈴木悠太の犠打を挟んで、3番・大澤太一の中前安打で先取点を挙げると、4番・中西陸の左中間を破る三塁打で大澤も生還。続く5番・芳賀が四球で歩くと、芳賀はすかさず二盗。二塁への送球が暴投になる間に、中西も生還した。

 「ほどよく緊張していました」と語る修徳の先発・床枝は、粗削りだが球威はある。四球はあるけれども、それは荒井監督も織り込み済み。三塁手で主将の岡崎秀馬がしきりに声をかけるなど、上級生の励ましも受けて、次第にエンジンがかかり始める。

 一方佼成学園は、3回途中から投手を前野唯斗に代え、4回途中からは、ここまでエース格の働きをしてきた平澤燎がマウンドに立つ。

 試合中盤からは、佼成学園・平澤、修徳・床枝の投手戦になり、膠着状態になった。
 8回表、修徳は一死後、6番・佐野空が左前安打で出塁したものの、牽制で刺された。「これからゲームは動き出す」と、修徳の荒井監督は感じていた。

 都大会初登板ながら好投していた床枝が「やはり疲れはありました」という8回裏、佼成学園は2つの死球と内野安打などで二死満塁。6番森慎の代打で出た1年、背番号13番の三井虎太朗が打って2人が生還。1点差に迫った。修徳は床枝に代えて、エースの唐津健太を投入。唐津は7番・野沢京平を二ゴロに打ち取り、傷口は広げない。

 すると9回表に修徳は1番・間島の二塁打などで一死二、三塁とし、2番・鈴木悠が右中間を破る三塁打を放ち2人が生還。修徳が追い上げる佼成学園を突き放した。

 修徳は今大会当たっている間島も、勝負を決める二塁打を放った鈴木悠も、先発し好投した床枝も、いずれも1年生だ。床枝は7回2/3を投げて、被安打4の自責点2。四死球は6あるものの、荒井監督の期待に十分応えた内容だった。こうした1年生が活躍できる背景には、上級生による雰囲気作りがある。準々決勝の相手は昨秋優勝の国士舘だ。荒井監督は、「ぶつかっていくだけです」と語った。

 敗れた佼成学園は3回にはミスも出たものの、3番手で登板した平澤の好投に象徴されるように、しっかり守れるチームである。それだけに、攻撃力の一段のアップを期待したい。

■日程詳細・応援メッセージ

秋季東京都大会


トーナメント表

【熱戦の模様をギャラリーでチェック!】

(文=大島裕史)

この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

関連記事

応援メッセージを投稿

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

RANKING

人気記事

2024.05.22

【愛知・全三河大会】三河地区の強豪・愛知産大三河が復活の兆し!豊川を下した安城も機動力は脅威

2024.05.23

春季関東大会でデビューしたスーパー1年生一覧!名将絶賛の専大松戸の強打者、侍ジャパンU-15代表右腕など14人がベンチ入り!

2024.05.22

【宮城】仙台育英は逆転勝ち、聖和学園が接戦を制して4強入り<春季県大会>

2024.05.22

【北信越】帝京長岡の右腕・茨木に注目!優勝候補は星稜、23日に抽選会

2024.05.22

【愛知・全三河大会】昨秋東海大会出場もノーシードの豊橋中央が決勝進出、147キロ右腕・内山など投手陣に手応え!名指導者率いる三好も期待の 1、2年生が出場

2024.05.21

【大学野球部24年度新入生一覧】甲子園のスター、ドラフト候補、プロを選ばなかった高校日本代表はどの大学に入った?

2024.05.17

「野球部や高校部活動で、”民主主義”を実践するには?」――教育者・工藤勇一さん【『新しい高校野球のかたち』を考えるvol.5】

2024.05.20

【24年夏全国地方大会シード校一覧】現在31地区が決定、宮城では古川学園、仙台南、岩手では盛岡大附、秋田では秋田商などがシードを獲得

2024.05.19

【東海】中京大中京がコールド勝ちで17年ぶり、菰野は激戦を制して23年ぶりの決勝進出<春季地区大会>

2024.05.18

【秋田】明桜がサヨナラ、鹿角は逆転勝ちで8強進出、夏のシードを獲得<春季大会>

2024.04.29

【福島】東日本国際大昌平、磐城、会津北嶺、会津学鳳が県大会切符<春季県大会支部予選>

2024.05.21

【大学野球部24年度新入生一覧】甲子園のスター、ドラフト候補、プロを選ばなかった高校日本代表はどの大学に入った?

2024.04.29

【岩手】盛岡中央、釜石、水沢が初戦を突破<春季地区予選>

2024.04.23

床反力を理解しよう【セルフコンディションニングお役立ち情報】

2024.05.15

【全国各地区春季大会組み合わせ一覧】新戦力が台頭するチームはどこだ!? 新基準バットの及ぼす影響は?